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陰は陽よりも熱く
第1章 木立ちに佇むもの
入浴を済ませると、好きな肌触りのチュニックワンピをさらりと着て、外に出た。
日はとっくに暮れていたが湯上がりの肌にひんやりとした風が心地よかった。
歩いて五分のコンビニまで行って飲み物を買い、家にもどろうとした。ふと隣の神社の鳥居の前で足を止めた。
珍しい…こんな時間にお参りする人いるんだ…
七葉の目に映ったのは髪の長いスーツ姿の女性だった。
高いヒールでカツカツと石段に音を響かせて登って行く。
短いスカートが美脚を強調していた。
そう長くない石段の上で待つ人影が見えた。
――…え…アイツ…だ…
なにしてんの…?
美脚のお姉さん待ち伏せして…
迎える創護に近づいて女性は何か話しているらしかった。
会話までは聞こえてこない。
それに対してゆっくりと頷いた創護が女性に右手を差し出して、抱きしめた。
―――っ!…っちょ!
襲っちゃだめでしょっ!!
無意識のうちに石段を駆け上がり、幼なじみの愚行を止めようとあと数メートルまで近づいていた。
その時
パチンッ―――
弾けるような音と共に創護の腕の中にいたはずの女性が無数の白い蝶に包まれ姿を消した。
「―……っ?!?…?なに…――いまの」
思考能力が追いつかない――
あたしの目の前で起きてるコレは夢…?
あぁ、うん
そうかも…
だって創護が…あの鉄面無表情がすごいびっくり顔してコッチ見てるなんてありえないし…
コレは夢だと自分で結論付けたところで、創護の低い声が響いた。
「…何処まで見た」
ほらねやっぱり夢だ創護から話し掛けてきてるし
気楽に答えちゃえ
「ぁ…ーえっと…美脚のお姉さんが階段登ってるとこから…白いチョウチョになって消えるとこまで…」
答えると創護は深いため息をついた。
「――こい」
階段を降りてきた創護があたしの手首を掴んでグイグイ引っ張っていく。
「ちょっとっ…!やっいたいっ…!」
ん?痛い…あれ?まさか夢じゃないの?
向かっていたのは神社の本殿だった。
日はとっくに暮れていたが湯上がりの肌にひんやりとした風が心地よかった。
歩いて五分のコンビニまで行って飲み物を買い、家にもどろうとした。ふと隣の神社の鳥居の前で足を止めた。
珍しい…こんな時間にお参りする人いるんだ…
七葉の目に映ったのは髪の長いスーツ姿の女性だった。
高いヒールでカツカツと石段に音を響かせて登って行く。
短いスカートが美脚を強調していた。
そう長くない石段の上で待つ人影が見えた。
――…え…アイツ…だ…
なにしてんの…?
美脚のお姉さん待ち伏せして…
迎える創護に近づいて女性は何か話しているらしかった。
会話までは聞こえてこない。
それに対してゆっくりと頷いた創護が女性に右手を差し出して、抱きしめた。
―――っ!…っちょ!
襲っちゃだめでしょっ!!
無意識のうちに石段を駆け上がり、幼なじみの愚行を止めようとあと数メートルまで近づいていた。
その時
パチンッ―――
弾けるような音と共に創護の腕の中にいたはずの女性が無数の白い蝶に包まれ姿を消した。
「―……っ?!?…?なに…――いまの」
思考能力が追いつかない――
あたしの目の前で起きてるコレは夢…?
あぁ、うん
そうかも…
だって創護が…あの鉄面無表情がすごいびっくり顔してコッチ見てるなんてありえないし…
コレは夢だと自分で結論付けたところで、創護の低い声が響いた。
「…何処まで見た」
ほらねやっぱり夢だ創護から話し掛けてきてるし
気楽に答えちゃえ
「ぁ…ーえっと…美脚のお姉さんが階段登ってるとこから…白いチョウチョになって消えるとこまで…」
答えると創護は深いため息をついた。
「――こい」
階段を降りてきた創護があたしの手首を掴んでグイグイ引っ張っていく。
「ちょっとっ…!やっいたいっ…!」
ん?痛い…あれ?まさか夢じゃないの?
向かっていたのは神社の本殿だった。