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陰は陽よりも熱く
第1章 木立ちに佇むもの
昔よく縁の下に潜って遊んだ本殿…
引きずられる勢いで連れてこられたからミュールがばらばらに賽銭箱の横に脱げたままになっている。



畳の上に辿り着いても創護は足を止めようとしない。


いい加減に頭に来て空いている片手で創護の腕をつかんだ。



「なんなの?!!さっきから!訳わかんない!!」




ようやく止まった創護がゆっくりと振り返る。


眼鏡の奥の瞳が揺らぐ。



「それはこっちの台詞だ…そんなもの背負ってきておいて自覚が無いのが一番厄介だ、阿呆が!」



恫喝されても七葉は意味がわからない。



ただ創護がこんなに話すのに驚いていた。


――ッチ―


舌打ちした創護はゆっくりした動きから一変して、素早くポケットから何か取り出した。




「説明してる余裕はない!動けば死ぬぞいいなっ」




「はぁっ?!!
全然よくないけどっ!?」




取り出したのは人型に切られた紙

創護が息を吹きかけ何処までも響く低い声でそれに囁いた。


『縛』



―――っ!


キリキリと周りの空気が軋む音がする。
と同時に身体が硬直し息苦しくなった。


矢継ぎ早に唱える声は身体を叩くように揺らした。


『青龍、白虎、朱雀、玄武、勾陳、南儒、北斗、三台、玉女

吾が式を以て形と成せ』




創護の手から離れた人型の紙は舞うように七葉の背後に回る。



苦しさが突然消え、軽くなった身体は後ろから押されたように前のめりに倒れた。


「ぅ…っわぁ!なにすっ――」



抗議の言葉はゴクリと飲み込んでしまった。




七葉の背後には人型の紙を胸につけた長い髪の少女が苦しそうにもがいていた。



――夢にでてきた子…だ


ただその形相は夢の中とは違い、赤く血走った瞳は狂気をはらんでいる。




「下がれ!阿呆!」

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