この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
アルルの夜に始まる恋
第2章 アルルの夜
ホテルに戻り、明日朝食の時に迎えにいくと言って各々部屋に入った。

ロイはシャワーを浴び、ミニバーのライム味のぺリエを飲んだ。
そこでやっと、パリの友人に何の連絡もしていないことを思い出した。
慌てて携帯電話を取り出す。いくつか着信があった。

「ロイ!」

友人は怒ったような声を上げた。

「ごめん、連絡しなくて。今アルルにいるんだ」
「アルル!?何だってそんなところに・・・心配したんだぞ」
「ごめん。明日にはパリに戻る。また連絡するから」
「女か?」

友人は笑いながら尋ねた。

「そんなんじゃないよ」

ロイは誤魔化して、詮索される前に電話を切った。

そんなんじゃない・・・。そうだ、小夜は他の女性とは少し違う。

(そういう艶めいたものではなく、なんていうか・・・)

初恋の少女に感じるような、淡く、純粋な気持ちにさせるのだ。
あの無邪気さや一生懸命さ、謙虚さを持った女性はロイの周りにはいなかった。

ぺリエの泡を見つめる。そう、まさにぺリエのようだ。体に爽快感が走る感じだ。

その時、扉がノックされた。もうそろそろ12時である。

「はい?」
「あ、あの・・・小夜です。まだ起きてる?」

ロイはバスローブのまま出ていいか迷ったが、とりあえず用事を聞くだけ聞こうとドアを開けた。

「どうしたの?眠れない?」
「ごめんなさい。お疲れよね?」
「いいや、なんだか興奮して眠れないなと思っていたところだよ。入る?」
「いいの?」

ロイは微笑みを返し、小夜を部屋に導いた。

「ぺリエでも飲む?」

そう言って小夜を見ると、手にワインの瓶と紙袋を持っていた。

「あなたさえ良かったら、もう少し付き合ってもらえるかしら」

小夜は遠慮がちに言った。
ロイは驚いてワインの瓶を手にする。

「いつ買ったの?」
「今朝よ。お金を盗られる前にスーパーマーケットで買ったの。買うつもりもなかったんだけど、何気なくスーパーマーケットに立ち寄ったら欲しくなっちゃって。すごいのね、ワインの数の多さったら。夜、一人でワインとチーズで楽しむつもりだったの」
「驚いたな。じゃあ、今日一日ずっとこれを鞄に入れていたの?」

小夜は恥ずかしそうに頷いた。

「僕もご一緒していいんだね?」
「そうしてくれると嬉しいわ」
/45ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ