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アルルの夜に始まる恋
第3章 パリの小さな夜
「ちょっと待って!」
エレベーターに乗り込む。ロイは小夜の顔をじっと見つめて、言った。
「今夜は君は僕の’マイ・フェア・レディ’だ」
「ロイ?どういう意味?」
ロイはそっと小夜の頬を指で撫でた。
「知らないの?ヘップバーンの映画」
「知ってるけど・・・」
イライザという花売り娘を、一流の言語学者のヒギンズ教授が『どんなに下世話な花売り娘でも、自分の手にかかれば半年で舞踏会でも通用するレディに仕立て上げられる』と言って、教育していくというストーリーだ。
ヒギンズ教授は、イライザに上流階級の話し方をマスターさせ、美しいドレスを着せて舞踏会へ連れて行く・・・。
「あの映画のように、君をレディに仕立て上げるんだ」
ロイはうきうきした気分で小夜を
ご贔屓のデザイナーのブティックに連れて行った。
「あまり時間がないんだ。彼女に似合いそうなものをいくつか見繕って。靴も、コートも全部だ。彼女はフランス語ができない。英語なら少しできる。くれぐれも丁重に扱うように」
ロイは店員に小夜のことを頼むと、困惑する小夜を置いて外へ出て行った。
数分後、店に戻ると小夜が鏡の前で体をひねって店員と何か話をしていた。
「どう?気に入ったものはあった?」
「ロイ!・・・どこに行ってたの?」
小夜はふんわりとフリルがあしらわれたシャンパンゴールドのミニドレスを着ていた。
露になった白い二の腕と鎖骨が色っぽい。
ロイは目を細め、満足げに頷いた。
「いいね。素敵だ。それにしよう」
「え?これ?・・・ちょっと短すぎないかしら」
そう言って露になった膝を手で隠した。
「いいえ、お客さま、良くお似合いですわ」
店員が微笑んで助言する。
ゴールドと黒のヒールの高いミュールに、ゴールドのクラッチバッグを手に持ち、ゴージャスな黒のムートンコートでコーディネートされた。
ロイは全身を眺め、微笑んだ。
「素晴らしいね。じゃあ、次に行こう」
支払いを済ませ、美容室へ向かう。
エレベーターに乗り込む。ロイは小夜の顔をじっと見つめて、言った。
「今夜は君は僕の’マイ・フェア・レディ’だ」
「ロイ?どういう意味?」
ロイはそっと小夜の頬を指で撫でた。
「知らないの?ヘップバーンの映画」
「知ってるけど・・・」
イライザという花売り娘を、一流の言語学者のヒギンズ教授が『どんなに下世話な花売り娘でも、自分の手にかかれば半年で舞踏会でも通用するレディに仕立て上げられる』と言って、教育していくというストーリーだ。
ヒギンズ教授は、イライザに上流階級の話し方をマスターさせ、美しいドレスを着せて舞踏会へ連れて行く・・・。
「あの映画のように、君をレディに仕立て上げるんだ」
ロイはうきうきした気分で小夜を
ご贔屓のデザイナーのブティックに連れて行った。
「あまり時間がないんだ。彼女に似合いそうなものをいくつか見繕って。靴も、コートも全部だ。彼女はフランス語ができない。英語なら少しできる。くれぐれも丁重に扱うように」
ロイは店員に小夜のことを頼むと、困惑する小夜を置いて外へ出て行った。
数分後、店に戻ると小夜が鏡の前で体をひねって店員と何か話をしていた。
「どう?気に入ったものはあった?」
「ロイ!・・・どこに行ってたの?」
小夜はふんわりとフリルがあしらわれたシャンパンゴールドのミニドレスを着ていた。
露になった白い二の腕と鎖骨が色っぽい。
ロイは目を細め、満足げに頷いた。
「いいね。素敵だ。それにしよう」
「え?これ?・・・ちょっと短すぎないかしら」
そう言って露になった膝を手で隠した。
「いいえ、お客さま、良くお似合いですわ」
店員が微笑んで助言する。
ゴールドと黒のヒールの高いミュールに、ゴールドのクラッチバッグを手に持ち、ゴージャスな黒のムートンコートでコーディネートされた。
ロイは全身を眺め、微笑んだ。
「素晴らしいね。じゃあ、次に行こう」
支払いを済ませ、美容室へ向かう。