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アルルの夜に始まる恋
第4章 繋がる心
シャルル・ ド・ゴール空港に着くと、まっさきに日本の航空会社のカウンターに向かう。
小夜が出て行ってそんなに差はなかったはずで、今頃搭乗手続きをしているはずだった。

しかし小夜は見当たらない。

手当たり次第あたるしかない。
空港を走る。こんなに必死になって走るのは久しぶりだった。

エールフランスのカウンターを通った時だった。

しゃがんで鞄をあさっている小夜の姿が目に入った。
小夜はおそらく航空券を探しているのだ。

ロイはホッとして、しばらく小夜の背中を眺めてから声をかけた。

「・・・何か、お困りですか?」

小夜がハッとして顔を上げる。

「ロイ・・・!」

ロイの姿を見ると、慌てて立ち上がった。
ロイは手に持っているチケットを振った。

「これをお探しですか?」
「それ・・・!」

小夜は驚きと困惑で言葉が出ないようだった。
ロイが小夜に近寄る。

「君がこうやってこっそり帰ってしまうんじゃないかと思ってね」
「そんな・・・ひどいわ」
「ひどい?ひどいのは君の方じゃないか。何も言わず、僕が寝ている間に帰ろうとして」
「だって・・・」

小夜は泣きそうな顔でロイを見上げた。

「もう一度、僕に会いにくると誓わなきゃ、このチケットは渡せない」

ロイはまっすぐ小夜を見つめて言った。

「そんな・・・。そんなの無理よ。お願い、チケットを返して」

小夜は抵抗した。

「だめだ」
「お願い!」
「君は僕の気持ちを充分理解してるはずだ。君だって僕と同じだろう?離れたくないと思っているはずだ」

小夜は首を横に振った。

「だめよ・・・あなたと私じゃ、不釣合い過ぎて・・・」
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