この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
君の瞳に映る白い花【おまけ追加しました】
第3章 揺れる枝葉
冬子はこたつもつけて、悠に座るよう促した。
「お茶淹れるね」
「ああ」
冬子は湯飲みを二つ用意して、温かい緑茶を淹れた。
悠と正面を向いて話すことができそうになかったので、こたつの角を挟んで斜め横に座った。
「で?いつまで怒ってるつもり?」
悠は早くはっきりさせたいといった様子で尋ねた。
「怒ってない」
「じゃあ、なんで避けてんの?」
冬子は湯飲みを両手で包んで指先を温めた。
「問題に・・・・向き合うのが辛くて・・・・・」
「問題って?」
悠はイライラしていた。冬子はこれから悠に告げなくてはいけないことを思って胸を痛めた。
悠は大きくため息をついた。
「お前がマンションに来た時、誰に何を言われたか知らないけど、俺はお前に結婚しようって言ってから他の女とはやってない。一度も」
冬子はうつむいて首を横にふった。
「違うの。確かにあの日マンションに行ったことがきっかけにはなったかもしれないけど、そうじゃないの・・・・」
「じゃあ、なんだよ・・・・」
冬子は意を決して顔をあげ、悠に向き直った。
悠の怒った、綺麗な顔がそこにあった。
「私、悠とは結婚できない」
冬子はきっぱりと言った。決意が鈍らないように無意識に声に力が入る。
「・・・・・どうして?」
悠の瞳が陰った。冬子は自分を奮い立たせて続けた。
「悠に結婚しようって言われて、最初はすごく・・・・驚いて、でも段々それっていいなって思えてきた。おじさんやおばさんと家族になれるし、うちのお母さんも多分喜んでくれる。私も・・・・・」
悠が好きだから、とは続けられなかった。
「お茶淹れるね」
「ああ」
冬子は湯飲みを二つ用意して、温かい緑茶を淹れた。
悠と正面を向いて話すことができそうになかったので、こたつの角を挟んで斜め横に座った。
「で?いつまで怒ってるつもり?」
悠は早くはっきりさせたいといった様子で尋ねた。
「怒ってない」
「じゃあ、なんで避けてんの?」
冬子は湯飲みを両手で包んで指先を温めた。
「問題に・・・・向き合うのが辛くて・・・・・」
「問題って?」
悠はイライラしていた。冬子はこれから悠に告げなくてはいけないことを思って胸を痛めた。
悠は大きくため息をついた。
「お前がマンションに来た時、誰に何を言われたか知らないけど、俺はお前に結婚しようって言ってから他の女とはやってない。一度も」
冬子はうつむいて首を横にふった。
「違うの。確かにあの日マンションに行ったことがきっかけにはなったかもしれないけど、そうじゃないの・・・・」
「じゃあ、なんだよ・・・・」
冬子は意を決して顔をあげ、悠に向き直った。
悠の怒った、綺麗な顔がそこにあった。
「私、悠とは結婚できない」
冬子はきっぱりと言った。決意が鈍らないように無意識に声に力が入る。
「・・・・・どうして?」
悠の瞳が陰った。冬子は自分を奮い立たせて続けた。
「悠に結婚しようって言われて、最初はすごく・・・・驚いて、でも段々それっていいなって思えてきた。おじさんやおばさんと家族になれるし、うちのお母さんも多分喜んでくれる。私も・・・・・」
悠が好きだから、とは続けられなかった。