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月夜の迷子たち
第7章 忍び寄る闇
紗奈は鉛筆を握ると母に気付かれないように深呼吸した。
「・・・・・どうしたらいいの?」
紗奈の言葉に母は嬉々として金額を告げた。
「とりあえず今日中に150万欲しいの。それ以上はあなたもすぐに用意できないかもしれないから、残りは週明けでいいわ。来週の月曜日に150万。全部で300万。たいした額じゃないでしょう?」
あまりに自分勝手な言い分に紗奈は怒りを爆発させてしまいそうだった。
唇を強く噛んで懸命に耐えた。
「・・・・・わかったわ。とりあえず今日・・・・・振込みます・・・・・・」
母の言う振込み先をメモする。紗奈の心に黒くドロドロしたものが渦巻く。
「それで・・・・・ねえ?ついでにお願いしたいんだけど、うちの人を中園さんのとこの会社で雇ってくれないかしら?どこでもいいのよ。子会社でもなんでも。給料も人並みにもらえたらそれでいいの。とにかく仕事が決まらないと・・・・・」
「何を言って・・・・・・」
紗奈の身体がぞっとして全身に悪寒が走る。
自分がいるだけで母は中園の家と親戚にでもなったつもりでいる。
中園の家を母の邪気が侵食していくように感じて寒気が止まらなかった。
(だめだ・・・・・・私がここにいたら・・・・・・・大変なことになる・・・・・・!)
「私、今日でここは終わりなの。もう中園さんとは契約終了で出て行くところなの。もう関係ないの。もうこの家に電話しても私は出ないし、この先もここに連絡するつもりならお金は振り込まないわ!」
紗奈は震える声で母に訴えかけた。
「あらそう・・・・・・。まあ、いいわ。それなら仕事が決まるまであなたに助けてもらったらいいだけの話だものね。久しぶりに話せて良かった。振込み頼んだわよ。あ!3時までにね!」
母は威圧的に言うと感謝の言葉を口にすることなく電話を切った。
「・・・・・どうしたらいいの?」
紗奈の言葉に母は嬉々として金額を告げた。
「とりあえず今日中に150万欲しいの。それ以上はあなたもすぐに用意できないかもしれないから、残りは週明けでいいわ。来週の月曜日に150万。全部で300万。たいした額じゃないでしょう?」
あまりに自分勝手な言い分に紗奈は怒りを爆発させてしまいそうだった。
唇を強く噛んで懸命に耐えた。
「・・・・・わかったわ。とりあえず今日・・・・・振込みます・・・・・・」
母の言う振込み先をメモする。紗奈の心に黒くドロドロしたものが渦巻く。
「それで・・・・・ねえ?ついでにお願いしたいんだけど、うちの人を中園さんのとこの会社で雇ってくれないかしら?どこでもいいのよ。子会社でもなんでも。給料も人並みにもらえたらそれでいいの。とにかく仕事が決まらないと・・・・・」
「何を言って・・・・・・」
紗奈の身体がぞっとして全身に悪寒が走る。
自分がいるだけで母は中園の家と親戚にでもなったつもりでいる。
中園の家を母の邪気が侵食していくように感じて寒気が止まらなかった。
(だめだ・・・・・・私がここにいたら・・・・・・・大変なことになる・・・・・・!)
「私、今日でここは終わりなの。もう中園さんとは契約終了で出て行くところなの。もう関係ないの。もうこの家に電話しても私は出ないし、この先もここに連絡するつもりならお金は振り込まないわ!」
紗奈は震える声で母に訴えかけた。
「あらそう・・・・・・。まあ、いいわ。それなら仕事が決まるまであなたに助けてもらったらいいだけの話だものね。久しぶりに話せて良かった。振込み頼んだわよ。あ!3時までにね!」
母は威圧的に言うと感謝の言葉を口にすることなく電話を切った。