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月夜の迷子たち
第7章 忍び寄る闇
「なぜそんな急に・・・・・・」
ロスから帰ってきて紗奈がいないことを知ると、祐哉は愕然として呟いた。
俊の仕事部屋で俊と征哉とレイアが集まっていた。
俊とレイアの話を照らし合わせると、出ていった日の午前中はそんなそぶりは見せず、むしろ祐哉が帰るのを楽しみに待っている様子だったが、午後になって急に出て行くと言い出したことになる。
耕太に連絡したが、耕太も中園の家を出ていたことを知らなかった。
コテージの電話は繋がらず、直接会いに行きたいが、妻が出産予定日を過ぎており入院して出産することが決まったらしく行けないということだった。
「須藤明日香という人物から電話がかかってきている。彼女の実の母親だ。昼に電話が来ているから、おそらくそれが原因だろう」
俊がいたって冷静に祐哉に報告した。
征哉は俊が持っている紗奈の母親について調べた調査書を取りあげて読むと、呆れた声で言った。
「住宅ローンの滞納だけじゃなく、消費者金融でもえらい借金してるなぁ・・・・・。ま、旦那が無職、首が回らなくなって、娘を頼ってきたってとこか」
「そんな・・・・・・酷い!紗奈っちが一生懸命稼いだお金をあてにして・・・・・」
レイアが怒りの声をあげた。
「でも・・・・・どうして紗奈っちの母親は、彼女がここにいることがわかったのかしら」
「こんなことする奴は一人しかいないよ」
征哉がやれやれといった口調で言った。
(瑠花だ・・・・・・・・)
彼女が紗奈のことを調べて、彼女の家の事情を利用して紗奈を追い出したのだ。
祐哉は何度も瑠花と話をしようとしてきた。
自分には愛している人がいる。君とは結婚できないのだと。
瑠花は祐哉と会おうとしなかったが、二週間ほど前に突然、もうわかったと電話がかかってきた。
祐哉の幸せを願っている・・・・・・と。
祐哉は拍子抜けしたが、そのまま素直にその言葉を信じてしまった。
甘かった。瑠花のことは終わったとばかりに紗奈とのこれからのことばかり考えていた。
瑠花がそんな簡単に引き下がるわけはなかった。
紗奈のことを想って胸が苦しくなる。
いったいどんな想いでこの家から去っていったのか・・・・・・。
ロスから帰ってきて紗奈がいないことを知ると、祐哉は愕然として呟いた。
俊の仕事部屋で俊と征哉とレイアが集まっていた。
俊とレイアの話を照らし合わせると、出ていった日の午前中はそんなそぶりは見せず、むしろ祐哉が帰るのを楽しみに待っている様子だったが、午後になって急に出て行くと言い出したことになる。
耕太に連絡したが、耕太も中園の家を出ていたことを知らなかった。
コテージの電話は繋がらず、直接会いに行きたいが、妻が出産予定日を過ぎており入院して出産することが決まったらしく行けないということだった。
「須藤明日香という人物から電話がかかってきている。彼女の実の母親だ。昼に電話が来ているから、おそらくそれが原因だろう」
俊がいたって冷静に祐哉に報告した。
征哉は俊が持っている紗奈の母親について調べた調査書を取りあげて読むと、呆れた声で言った。
「住宅ローンの滞納だけじゃなく、消費者金融でもえらい借金してるなぁ・・・・・。ま、旦那が無職、首が回らなくなって、娘を頼ってきたってとこか」
「そんな・・・・・・酷い!紗奈っちが一生懸命稼いだお金をあてにして・・・・・」
レイアが怒りの声をあげた。
「でも・・・・・どうして紗奈っちの母親は、彼女がここにいることがわかったのかしら」
「こんなことする奴は一人しかいないよ」
征哉がやれやれといった口調で言った。
(瑠花だ・・・・・・・・)
彼女が紗奈のことを調べて、彼女の家の事情を利用して紗奈を追い出したのだ。
祐哉は何度も瑠花と話をしようとしてきた。
自分には愛している人がいる。君とは結婚できないのだと。
瑠花は祐哉と会おうとしなかったが、二週間ほど前に突然、もうわかったと電話がかかってきた。
祐哉の幸せを願っている・・・・・・と。
祐哉は拍子抜けしたが、そのまま素直にその言葉を信じてしまった。
甘かった。瑠花のことは終わったとばかりに紗奈とのこれからのことばかり考えていた。
瑠花がそんな簡単に引き下がるわけはなかった。
紗奈のことを想って胸が苦しくなる。
いったいどんな想いでこの家から去っていったのか・・・・・・。