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月夜の迷子たち
第7章 忍び寄る闇
「あなた・・・・・サイテー。紗奈っちと祐哉くんの中を裂くために、私のこと利用して・・・・・!紗奈っちだったら、そんなの・・・・・・私を守るためにお金払うに決まってるじゃない!」

レイアは怒りで震えてぼろぼろ涙を流した。

「なかなか良い案でしょう?彼女みたいな真面目やら純真を売りにしているような女なら出て行くと思ったわ。面白いくらいに思い通りでちょっと拍子抜けしたけど」

その言葉に征哉が瑠花の頬を叩いた。

「・・・・・・っ!何するのよ!」
「瑠花、君がしたことは人として許されることじゃない。今すぐ紗奈ちゃんに謝って間違いを訂正するべきだ」
「なんですって・・・・・・!」

瑠花は征哉の頬を倍返しとばかりに叩き返した。

「いってぇ・・・・・」
「じゃあ、私はどうなるのよ!19年間祐哉の妻になるために生きてきた私の人生は!?それを踏みにじることは許されるっていうの!?」

瑠花の目は怒りで燃えていた。
握った拳が震えている。

「物心ついた時から祐哉のお嫁さんになるんだって。母にも父にも言われて・・・・・・。祐哉だっていっつも優しくしてくれたじゃない!困った時は助けてくれて・・・・・・。祐哉のために頑張って良い奥様になろうって勉強だって語学だって、作法だって、苦手な乗馬だってずっとずっと頑張ってきたのに・・・・・・。急にあの女が現れて・・・・・」

瑠花は泣きながら怒りに震えていた。

「許さない・・・・・・!祐哉は私と結婚するのよ!絶対に!!」

祐哉は瑠花の姿を見て自分の愚かさを呪った。
彼女の自分に対する愛情を見くびっていた。
他に愛する人が出来たとこちらが言えば、仕方なく諦めてくれる・・・・・。
そんな程度の想いではなかったのだ。

これは自分が蒔いた種だ。祐哉は悲痛な面持ちで瑠花の前に立った。

「瑠花・・・・・・・」
「いや!聞きたくない!」

祐哉は瑠花の腕を掴んで自分の方へ向かせた。

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