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月夜の迷子たち
第7章 忍び寄る闇
「瑠花。何もかも俺が悪い。君がそうやって・・・・・・君の人生を全て俺に向けてくれていたのに、気づかなくて・・・・・。いや、気づいていたのに気づかないふりをしていた。俺こそ最低な人間だ。恨んで憎んでくれ。でも・・・・・」
「やめて・・・・・!」
「俺は彼女を愛してる。この気持ちは誰にどんなことを言われようと変わらない。君の気持ちには答えられない。長い間はっきり伝えなくて悪かった・・・・・」

瑠花はキッと顔を上げて祐哉を見上げた。
目からぼろぼろと涙が溢れる。

「どうして・・・・・・?どうして私じゃだめなの・・・・・?」
「君がだめだなんて言ってない。君はとても素敵な人だよ」
「そんな安っぽい言葉が聞きたいんじゃない!お願い・・・・・・彼女との関係を続けててもいいわ。結婚してからも会ってくれてかまわない。だから私と結婚して?お願いよ・・・・・私にとっては祐哉が全てなの・・・・・・・!」

瑠花の悲痛な声に祐哉は胸を打たれた。
人をここまで悲しませて傷つけたことの無い祐哉にとって、瑠花の想いを拒絶することは想像以上に痛みを伴った。
それでも、瑠花の気持ちには答えられない。その事実を突きつけることこそが誠意なのだ。

「ごめん・・・・・瑠花・・・・・・・。それはできない。君を不幸にするだけだ。そんなことは出来ない・・・・・・。君とは結婚出来ない」

祐哉は瑠花の目を見てはっきりと拒絶した。
揺るがない心を見せることこそ瑠花への思いやりなのだから。

瑠花の目に見る見る絶望が広がり、床に崩れ落ちて泣き叫んだ。

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