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月夜の迷子たち
第8章 物語の続き
「先生、これではお話が変わってしまいます」
「いいんだよ。人生とは人それぞれ違うものだ。君は君の望む物語を描いていいんだよ」

師匠が初めて声を出した。

(私の望む・・・・・物語・・・・・・・)

さあ、この先は君が描きなさいというように筆を渡された。
紗奈は躊躇いながらもランスロットとシャロットの姫のまわりに祝福する人々を描いた。

耕太くんに香織ちゃんにレイアちゃん・・・・・征哉さん、小野瀬さん、玲央くんに藤原さん・・・・・。

みんな笑顔で二人を祝福している。

「・・・・・欲張りすぎですかね?」

師匠はいいね、と眉を上げて微笑むいつもの仕草をしてみせた。

師匠の笑顔を見て、笑いながら泣いた。
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