この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
月夜の迷子たち
第8章 物語の続き
紗奈は緊張で身体を硬くして立ったまま祐哉の母を見つめた。
肖像画よりもずっと溌剌として生き生きして見えた。
目がやはり祐哉と征哉に似ている。
「まあ!まあ!なんて可愛いらしい!!あなたが紗奈ちゃんね!?」
「は、初めまして・・・・・。松代紗奈です」
紗奈は頭を深々と下げた。
「いやねぇ。そんなに硬くならないで。あなたにずっと会いたかったのよ。祐哉、コーヒーちょうだい」
祐哉は、やれやれといった風にキッチンへと向かった。
「中園澄子です。よろしくね」
そう言って紗奈の手を取って握手した。
座りましょうといって、手をつないだまま紗奈の隣に座る。
柔らかく温かい手の感触に、母親の手とはこういうものだと直感で感じて紗奈は戸惑った。
「私ね、本当は女の子が欲しかったのよ~。あなたみたいな可愛い女の子、欲しかったわぁ」
「母さん、何しに来たの?」
祐哉がコーヒーを母の前に置いて素っ気無く言った。
「何よ。息子の恋人に会いにきて何が悪いのよ」
「イギリスからわざわざ?」
「わざわざじゃないわよ!ほんとはもっと早く会いにきたかったのよ!どんな子かなぁ?仲良くなれるかなぁ?私に似てたらどうしよ!?とか考えてたら、もう居ても立ってもいられなくて。飛行機飛び乗っちゃった!」
紗奈はクスクスと笑ってしまった。征哉にそっくりだったからだ。
「あら!まあ!可愛い!なんて可愛いらしい笑顔なの!ああ、こんな子が娘になってくれるなんて幸せ・・・・・・!」
澄子が紗奈をぎゅーっと抱きしめた。
(娘・・・・・・・)
紗奈は娘と言われてくすぐったいような気持ちになって、照れ笑いした。
「母さん!時がきたら、ちゃんと紹介するから!やめてください!」
「やだ」
祐哉は遠慮のない母の行動に紗奈が戸惑っていると思い、母を引き剥がそうとするが澄子は紗奈を離さなかった。
「紗奈ちゃん、ちょっとお散歩しない?」
「え?あ・・・・・はい!」
澄子が紗奈を強引に散歩に誘う。
「母さん・・・・・・!」
「うるさいわねぇ。取って食いやしないわよ。あなたは片付けでもしてなさい」
そう言うとコーヒーを一口飲んでから立ち上がり、紗奈の手を引いて外へ連れ出した。
肖像画よりもずっと溌剌として生き生きして見えた。
目がやはり祐哉と征哉に似ている。
「まあ!まあ!なんて可愛いらしい!!あなたが紗奈ちゃんね!?」
「は、初めまして・・・・・。松代紗奈です」
紗奈は頭を深々と下げた。
「いやねぇ。そんなに硬くならないで。あなたにずっと会いたかったのよ。祐哉、コーヒーちょうだい」
祐哉は、やれやれといった風にキッチンへと向かった。
「中園澄子です。よろしくね」
そう言って紗奈の手を取って握手した。
座りましょうといって、手をつないだまま紗奈の隣に座る。
柔らかく温かい手の感触に、母親の手とはこういうものだと直感で感じて紗奈は戸惑った。
「私ね、本当は女の子が欲しかったのよ~。あなたみたいな可愛い女の子、欲しかったわぁ」
「母さん、何しに来たの?」
祐哉がコーヒーを母の前に置いて素っ気無く言った。
「何よ。息子の恋人に会いにきて何が悪いのよ」
「イギリスからわざわざ?」
「わざわざじゃないわよ!ほんとはもっと早く会いにきたかったのよ!どんな子かなぁ?仲良くなれるかなぁ?私に似てたらどうしよ!?とか考えてたら、もう居ても立ってもいられなくて。飛行機飛び乗っちゃった!」
紗奈はクスクスと笑ってしまった。征哉にそっくりだったからだ。
「あら!まあ!可愛い!なんて可愛いらしい笑顔なの!ああ、こんな子が娘になってくれるなんて幸せ・・・・・・!」
澄子が紗奈をぎゅーっと抱きしめた。
(娘・・・・・・・)
紗奈は娘と言われてくすぐったいような気持ちになって、照れ笑いした。
「母さん!時がきたら、ちゃんと紹介するから!やめてください!」
「やだ」
祐哉は遠慮のない母の行動に紗奈が戸惑っていると思い、母を引き剥がそうとするが澄子は紗奈を離さなかった。
「紗奈ちゃん、ちょっとお散歩しない?」
「え?あ・・・・・はい!」
澄子が紗奈を強引に散歩に誘う。
「母さん・・・・・・!」
「うるさいわねぇ。取って食いやしないわよ。あなたは片付けでもしてなさい」
そう言うとコーヒーを一口飲んでから立ち上がり、紗奈の手を引いて外へ連れ出した。