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月夜の迷子たち
第8章 物語の続き
紗奈は緊張で身体を硬くして立ったまま祐哉の母を見つめた。
肖像画よりもずっと溌剌として生き生きして見えた。

目がやはり祐哉と征哉に似ている。

「まあ!まあ!なんて可愛いらしい!!あなたが紗奈ちゃんね!?」
「は、初めまして・・・・・。松代紗奈です」

紗奈は頭を深々と下げた。

「いやねぇ。そんなに硬くならないで。あなたにずっと会いたかったのよ。祐哉、コーヒーちょうだい」

祐哉は、やれやれといった風にキッチンへと向かった。

「中園澄子です。よろしくね」

そう言って紗奈の手を取って握手した。
座りましょうといって、手をつないだまま紗奈の隣に座る。

柔らかく温かい手の感触に、母親の手とはこういうものだと直感で感じて紗奈は戸惑った。

「私ね、本当は女の子が欲しかったのよ~。あなたみたいな可愛い女の子、欲しかったわぁ」
「母さん、何しに来たの?」

祐哉がコーヒーを母の前に置いて素っ気無く言った。

「何よ。息子の恋人に会いにきて何が悪いのよ」
「イギリスからわざわざ?」
「わざわざじゃないわよ!ほんとはもっと早く会いにきたかったのよ!どんな子かなぁ?仲良くなれるかなぁ?私に似てたらどうしよ!?とか考えてたら、もう居ても立ってもいられなくて。飛行機飛び乗っちゃった!」

紗奈はクスクスと笑ってしまった。征哉にそっくりだったからだ。

「あら!まあ!可愛い!なんて可愛いらしい笑顔なの!ああ、こんな子が娘になってくれるなんて幸せ・・・・・・!」

澄子が紗奈をぎゅーっと抱きしめた。

(娘・・・・・・・)

紗奈は娘と言われてくすぐったいような気持ちになって、照れ笑いした。

「母さん!時がきたら、ちゃんと紹介するから!やめてください!」
「やだ」

祐哉は遠慮のない母の行動に紗奈が戸惑っていると思い、母を引き剥がそうとするが澄子は紗奈を離さなかった。

「紗奈ちゃん、ちょっとお散歩しない?」
「え?あ・・・・・はい!」

澄子が紗奈を強引に散歩に誘う。

「母さん・・・・・・!」
「うるさいわねぇ。取って食いやしないわよ。あなたは片付けでもしてなさい」

そう言うとコーヒーを一口飲んでから立ち上がり、紗奈の手を引いて外へ連れ出した。
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