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月夜の迷子たち
第8章 物語の続き
秀一は紗奈に向かってもう一度頭を下げた。
「息子をよろしく」
紗奈も慌てて頭を下げた。紗奈を祐哉の結婚相手として認めてくれたことがわかってホッとした。
「一つ、頼みがあるんだ」
頼み、と言われて紗奈の表情が硬くなる。何か難しいことを言われたらどうしようという緊張が走った。
そんな紗奈を見て秀一は苦笑した。そうやって笑うと祐哉にますます似ている。
「私は絵心もなければ音感もないくせに、絵を見たり音楽を聴くことは人一倍好きなんだ。君にはぜひ結婚してからも絵を描き続けて欲しい」
紗奈は思いもよらない’頼み’に胸打たれて言葉を失った。
むしろ絵を描くのを控えるようしなくてはと思っていただけに、驚きを隠せなかった。
「いいんでしょうか・・・・・・?」
「いつか余裕が出来たら、私にも描いて欲しい」
紗奈という人間を受け入れてくれた証拠だと思った。
紗奈は心から安堵した。
「・・・・・・はい!よろこんで!」
紗奈の緊張がほぐれ、自然な笑顔が出る。
「仲良くなれたようね」
澄子がシャンパン片手に二人のもとへやってきた。
グラスを夫に渡して言った。
「ちゃんと予約したの?」
澄子がニヤニヤして秀一の腕を肘でつついた。
秀一は、ああ・・・・・と思い出したように頷くと、まだだと首を振った。
「この人ね、紗奈ちゃんと美術館巡りしたいんですって。美術館デート、してあげてくれる?」
デートという言葉に秀一は一瞬ぎょっとしたが、すぐに表情を戻して紗奈に言った。
「君さえよければ・・・・・・。もちろん祐哉も一緒に」
「はい・・・・・・!ぜひ、お供させていただきます!」
紗奈の返事に秀一は少し恥ずかしそうにぎこちなく微笑んだ。
紗奈は少し勇気をもらって、確認したいと思っていたことを思い切って聞いてみた。
「息子をよろしく」
紗奈も慌てて頭を下げた。紗奈を祐哉の結婚相手として認めてくれたことがわかってホッとした。
「一つ、頼みがあるんだ」
頼み、と言われて紗奈の表情が硬くなる。何か難しいことを言われたらどうしようという緊張が走った。
そんな紗奈を見て秀一は苦笑した。そうやって笑うと祐哉にますます似ている。
「私は絵心もなければ音感もないくせに、絵を見たり音楽を聴くことは人一倍好きなんだ。君にはぜひ結婚してからも絵を描き続けて欲しい」
紗奈は思いもよらない’頼み’に胸打たれて言葉を失った。
むしろ絵を描くのを控えるようしなくてはと思っていただけに、驚きを隠せなかった。
「いいんでしょうか・・・・・・?」
「いつか余裕が出来たら、私にも描いて欲しい」
紗奈という人間を受け入れてくれた証拠だと思った。
紗奈は心から安堵した。
「・・・・・・はい!よろこんで!」
紗奈の緊張がほぐれ、自然な笑顔が出る。
「仲良くなれたようね」
澄子がシャンパン片手に二人のもとへやってきた。
グラスを夫に渡して言った。
「ちゃんと予約したの?」
澄子がニヤニヤして秀一の腕を肘でつついた。
秀一は、ああ・・・・・と思い出したように頷くと、まだだと首を振った。
「この人ね、紗奈ちゃんと美術館巡りしたいんですって。美術館デート、してあげてくれる?」
デートという言葉に秀一は一瞬ぎょっとしたが、すぐに表情を戻して紗奈に言った。
「君さえよければ・・・・・・。もちろん祐哉も一緒に」
「はい・・・・・・!ぜひ、お供させていただきます!」
紗奈の返事に秀一は少し恥ずかしそうにぎこちなく微笑んだ。
紗奈は少し勇気をもらって、確認したいと思っていたことを思い切って聞いてみた。