この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
月夜の迷子たち
第11章 恋の種
「レイアちゃん、お疲れさま!」

イベントが終わって三日もたってから、征哉はレイアにお礼を言った。
ここしばらく姿を見ていなかったが、どこかに行方をくらましていたようだ。

「征哉くん、来なかったね」

レイアはお茶会が終わったテーブルの食器をトレーに移しながら横目でじとーっと睨んで言った。

「ごめんごめん、全国の温泉巡りしててさあ。混浴にターゲットを絞って。いやあ忙しい!子ども食堂、大成功だったらしいじゃない。頼もしいなあ。これからも頼むよ!」

征哉は、はいバイト代と言って封筒を手渡した。

レイアは途端に笑顔になって封筒の中身を確認する。

「わあ!こんなに沢山!いいの?」
「どーぞどーぞ。君のおかげでご近所でも今回のイベントはかなり好評を得たよ。次も君を出してくれとそこらじゅうで声をかけられた」

レイアはやったー!と喜んでバッグに封筒を入れた。これで今日友子に何か買っていってあげよう。新しい櫛が欲しいと言っていたから良いやつを買っていこう。

ふと、あの時の少女を思い出す。あのシュシュ、使ってくれているだろうか・・・・・。
レイアは皿に残ったチーズを食べる征哉をじっと見つめた。

「征哉くんて、全く真面目に生きてるように見えないけど、なんだかんだでお金稼いで、ああいうイベントを開く財力があって、世の中に貢献してるのよね・・・・・。今回のお金も全部征哉くんが出してるのよね?」

征哉は褒められてまんざらでもない顔をして頷いた。

「為替やら株やらで片手間で稼いだ金だ。そういう金は溜め込まずにどんどん使って世の中に放出したほうがいい」
「そうやって征哉くん見たいに簡単に稼ぐ人もいれば、夜中に子どもを家に一人残して働くお母さんもいるのよねえ・・・・・」

征哉がニヤリとしてレイアを見た。

「おやおや?社会構造について議論でもするかい?」
「そんな難しいことわからないわ。あまりにも差がありすぎて、世の中理不尽だなって考えちゃうだけ」
「そうだね。では、視点をグローバルにしてみよう。日本より厳しい環境で生まれて、まともな制度もない状況で生まれた子から見たら、母親がいて雨や寒さを凌げる家があって、日本という国で生まれただけでも幸せと思うかもしれない」

征哉がチョコレートを口に入れた。高級なチョコレート。一生食べられない子は世界中にいる。
/290ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ