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月夜の迷子たち
第11章 恋の種
一人の女性医師が俊を見ていた。
「・・・・・・・・・」
俊は驚いて何も言えずに女性を見つめていた。
二人の間に何かがあるのはレイアにもすぐわかった。
「こんなところで会うなんて・・・・・・。お見舞い?」
女性は颯爽と歩いて俊の前に立った。
髪を一つにまとめ、薄くメイクをした、利発そうな美人な女医だった。
「ああ・・・・・」
「びっくりした~!久しぶりねえ!今何してるの?」
「・・・・・前と同じだよ」
「そうなんだ。あ・・・・・どうも。こんばんは」
女性はレイアに微笑んでみせた。目の奥が笑ってない気がして、レイアはゾッとした。
平静を装って挨拶を返す。
「可愛い子連れてるじゃない。彼女?」
「いや・・・・・。職場が一緒なんだ」
「そうなのね。初めまして。俊の’元カノ’の千田郁美です」
「おい、余計なこと言うなよ・・・・・」
「いいじゃない。今はもう結婚したんだし、昔のことでしょ。俊にはプロポーズしたけど振られちゃって、今は別の人と結婚した既婚者でーす」
そう言って左手の薬指の指輪をふざけた調子で見せた。
俊は険しい表情をして彼女を睨みつけている。
元カノという言葉が出てレイアは驚いた。
(へえ・・・・・・・この人と付き合ってたのか・・・・・・)
「ねえねえ、私ちょうど仕事終わったところなの!今からご飯食べに行かない!?」
俊は途端に冷静さを取り戻してレイアの背中を押して歩き出そうとした。
「悪い。俺は彼女を送り届けなきゃいけないから。失礼するよ」
郁美は俊に近づいて馴れ馴れしく腕を掴んだ。
「久しぶりに会ったのに冷たいわねえ。いいじゃない少しくらい。彼女も一緒に。ね?いいでしょう?」
郁美の目が相変わらず笑っていないので、レイアは慌てて断った。
「いいえ、私電車で帰るから二人でどうぞごゆっくり・・・・・」
「そう言わずに、行きましょ?着替えてくるから外でちょっと待ってて!」
そう言うと走って行ってしまった。
「あは。強引な人ね」
レイアは苦笑して俊を見上げた。
俊の表情は険しかった。
「・・・・・・・・・」
俊は驚いて何も言えずに女性を見つめていた。
二人の間に何かがあるのはレイアにもすぐわかった。
「こんなところで会うなんて・・・・・・。お見舞い?」
女性は颯爽と歩いて俊の前に立った。
髪を一つにまとめ、薄くメイクをした、利発そうな美人な女医だった。
「ああ・・・・・」
「びっくりした~!久しぶりねえ!今何してるの?」
「・・・・・前と同じだよ」
「そうなんだ。あ・・・・・どうも。こんばんは」
女性はレイアに微笑んでみせた。目の奥が笑ってない気がして、レイアはゾッとした。
平静を装って挨拶を返す。
「可愛い子連れてるじゃない。彼女?」
「いや・・・・・。職場が一緒なんだ」
「そうなのね。初めまして。俊の’元カノ’の千田郁美です」
「おい、余計なこと言うなよ・・・・・」
「いいじゃない。今はもう結婚したんだし、昔のことでしょ。俊にはプロポーズしたけど振られちゃって、今は別の人と結婚した既婚者でーす」
そう言って左手の薬指の指輪をふざけた調子で見せた。
俊は険しい表情をして彼女を睨みつけている。
元カノという言葉が出てレイアは驚いた。
(へえ・・・・・・・この人と付き合ってたのか・・・・・・)
「ねえねえ、私ちょうど仕事終わったところなの!今からご飯食べに行かない!?」
俊は途端に冷静さを取り戻してレイアの背中を押して歩き出そうとした。
「悪い。俺は彼女を送り届けなきゃいけないから。失礼するよ」
郁美は俊に近づいて馴れ馴れしく腕を掴んだ。
「久しぶりに会ったのに冷たいわねえ。いいじゃない少しくらい。彼女も一緒に。ね?いいでしょう?」
郁美の目が相変わらず笑っていないので、レイアは慌てて断った。
「いいえ、私電車で帰るから二人でどうぞごゆっくり・・・・・」
「そう言わずに、行きましょ?着替えてくるから外でちょっと待ってて!」
そう言うと走って行ってしまった。
「あは。強引な人ね」
レイアは苦笑して俊を見上げた。
俊の表情は険しかった。