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月夜の迷子たち
第2章 再会
そうだ、これからきっととてもお金が必要になってくる。
耕太は子供のためにも、この大きな仕事をなんとしても手に入れたいのだろう。
紗奈にとっても自分の肉親がもう一人増えるのだ。自分も何かしてあげたい。

しかし・・・・。
全く知らない人の家で絵を描くなんてどんなことになるか見当もつかない。

不安で仕方なかった。

「あ、でもな。一応面接?面談?みたいのやるから、それから決めてくれたらいいって。年内は無理だから年明けてから。どんな家かどんな人たちか確認してもらってからって。だから、まずは・・・・服だな!服!お前、まともな服持ってないんだから、百貨店だ!面接の前に早めに待ち合わせして行くぞ!」

耕太の頭には大きな数字がちらついているのだろう。先行投資としていくらでも出すぞといった勢いだ。

紗奈は少し安心した。事前に面談として相手のことがわかるなら、その方がいい。
それから決断してもいいということが紗奈の不安を少し和らげた。

面談の日が決まったら連絡する、と言って耕太は電話を一方的に切った。

おかしな依頼に紗奈の心は乱れていた。

とにかく、なぜそんな依頼をするのか確認してからだ。
耕太の中ではもう引き受けると決まってしまっているようだが、安請け合いして完成できなかったら意味がない。

紗奈は描きかけの絵に向かって、再び手を動かした。
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