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月夜の迷子たち
第11章 恋の種
レイアは息を切らせて電車に飛び乗った。
気がついたらいつも降りる駅の改札を出たところだった。
(あーあ・・・・・玲央・・・・・・どうしてるかな・・・・・・・)
そう思った時だった。
着信音が鳴った。急いで見ると、イギリスにいる玲央からだった。
こういう時、双子ってすごいなとレイアは苦笑した。
「もしもし」
「よお。元気か?」
レイアは久しぶりに聞く玲央の声に思わず涙ぐむ。
「・・・・・元気じゃないよ。もう、全然電話してこないんだから」
「俺だって忙しいんだよ。朝から晩まで勉強で・・・・・。でも、ごめんな」
時差もあって、なかなか電話のタイミングが掴めないのはわかっていたが、玲央がイギリスで充実した生活を送っていることも知っていたので、どうしてもなじってしまうのだった。
「元気ないな。どうした?」
「うーん・・・・・。ねえ、玲央もさ、よく言われるよね。’どうせ君みたいな人間にはわからないだろ’とかって」
「何、急に・・・・・・。まあ、日本ではそういうこと良く言われたな」
そうだよね・・・・・とレイアは呟いた。
「お前になんかわかるかって、どうせ君は悩みなんかないだろって。言ったところで理解できるはずないってバカにされた気がするし、突き放された感じするよな」
「そうそう!中身がない人間って思われてるんだろうね」
レイアはとぼとぼと夜道を歩きながら話した。
こうして玲央と話をしていると、少しずつ元気が出てくる。
「まあ、俺も昔はそう思ってムカついてたけど、今はちょっと違う。君にはわからないって言いながら、本当はわかってほしいんだなってどこかで思ってるんだよ」
「うん?どういうこと?」
「つまり・・・・’ほっといてよ’と言いながら、本当の気持ちは’行かないで!’ってやつ」
「ああ・・・・・・なるほど・・・・・・・。うーん、そうなのかな・・・・・・」
レイアは石ころを蹴飛ばしながら考えた。
「勝手だよなぁ。人を傷つけること言っておいて、それでも行かないで、わかって欲しいって。でもそうやって相手の愛情を確かめてるんじゃないの?」
「そんなの・・・・・わかるわけないよ」
レイアが諦めたという風に投げやりに言ったので、玲央は笑った。
気がついたらいつも降りる駅の改札を出たところだった。
(あーあ・・・・・玲央・・・・・・どうしてるかな・・・・・・・)
そう思った時だった。
着信音が鳴った。急いで見ると、イギリスにいる玲央からだった。
こういう時、双子ってすごいなとレイアは苦笑した。
「もしもし」
「よお。元気か?」
レイアは久しぶりに聞く玲央の声に思わず涙ぐむ。
「・・・・・元気じゃないよ。もう、全然電話してこないんだから」
「俺だって忙しいんだよ。朝から晩まで勉強で・・・・・。でも、ごめんな」
時差もあって、なかなか電話のタイミングが掴めないのはわかっていたが、玲央がイギリスで充実した生活を送っていることも知っていたので、どうしてもなじってしまうのだった。
「元気ないな。どうした?」
「うーん・・・・・。ねえ、玲央もさ、よく言われるよね。’どうせ君みたいな人間にはわからないだろ’とかって」
「何、急に・・・・・・。まあ、日本ではそういうこと良く言われたな」
そうだよね・・・・・とレイアは呟いた。
「お前になんかわかるかって、どうせ君は悩みなんかないだろって。言ったところで理解できるはずないってバカにされた気がするし、突き放された感じするよな」
「そうそう!中身がない人間って思われてるんだろうね」
レイアはとぼとぼと夜道を歩きながら話した。
こうして玲央と話をしていると、少しずつ元気が出てくる。
「まあ、俺も昔はそう思ってムカついてたけど、今はちょっと違う。君にはわからないって言いながら、本当はわかってほしいんだなってどこかで思ってるんだよ」
「うん?どういうこと?」
「つまり・・・・’ほっといてよ’と言いながら、本当の気持ちは’行かないで!’ってやつ」
「ああ・・・・・・なるほど・・・・・・・。うーん、そうなのかな・・・・・・」
レイアは石ころを蹴飛ばしながら考えた。
「勝手だよなぁ。人を傷つけること言っておいて、それでも行かないで、わかって欲しいって。でもそうやって相手の愛情を確かめてるんじゃないの?」
「そんなの・・・・・わかるわけないよ」
レイアが諦めたという風に投げやりに言ったので、玲央は笑った。