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月夜の迷子たち
第11章 恋の種
レイアは意外な過去を聞かされて驚いた。今、目の前にいる俊は背の高い引き締まった身体で海外のモデルみたいな体系だったし、肌も健康的な綺麗な肌をしている。
俊の母は、俊をソリストに育てることを諦めると同時にウィーンへ行ってしまった。現地のオーストリア人と再婚して今はヴァイオリンの教師として活躍しているらしかった。俊は大学教授の父親と暮らし始めた。
俊は母に突然見放され、何をしたらいいかわからなかった。それまでの人生をヴァイオリンに捧げてきたところを、急に他のことをして生きていけと言われて途方にくれていた。
音大をなんとか卒業して、進路をどうするかとなった時に祐哉がうちで働かないかと声をかけてくれた。
父親も再婚して新しい家族が出来ていたから、大学卒業と同時に一人暮らしをすると言う俊に、この家で暮らせと祐哉の母が言ってくれた。
征哉は、音楽以外のことも沢山経験しろといって俊を遊びに連れ出した。
趣味でいいからヴァイオリンを続けなさいと、祐哉たちの祖父が俊の部屋を防音設備の整ったものにしてくれ、祐哉の父は、うちで働くならきちんとした身なりをしなさいとスーツやコート、靴を揃えてくれた・・・・・。
自分の家族以上に家族として扱ってくれた中園の人々に、一生仕えようと俊は心に誓った。
「中園の家で働き出して、食事もちゃんとしたものを食べて、祐哉と征哉さんとたくさん話をして外に出かけて・・・・・。運動もずっとやってこなかったから剣道や水泳も始めた。そしたらみるみる痩せたんだ。肌も荒れることがなくなって、夜もちゃんと眠れるようになった」
「耳は?」
「耳は再発することもなくなった。今は全く問題ない」
「そっか。良かったね。やっぱり・・・・・お母さんが原因だったのかな」
俊はそうだなと頷いた。深刻な話だが、俊の表情は特別暗いわけではない。きっと中園の人たちと暮らしていく中ですっかり立ち直った話なのだ。
「ただ・・・・・さっき言ったように、容姿のコンプレックスってのは割と残ってて・・・・・」
元々背は大きかったので、剣道や毎日日課にしているトレーニングのおかげで体型もモデルのようになり、仕事も上手くこなせるようになってくると今まででは考えられないくらいモテ始めた。
祐哉とあらゆる場所に出向いたり、中園の仕事を単独でやるようになると女性が次々と誘ってくる。
俊の母は、俊をソリストに育てることを諦めると同時にウィーンへ行ってしまった。現地のオーストリア人と再婚して今はヴァイオリンの教師として活躍しているらしかった。俊は大学教授の父親と暮らし始めた。
俊は母に突然見放され、何をしたらいいかわからなかった。それまでの人生をヴァイオリンに捧げてきたところを、急に他のことをして生きていけと言われて途方にくれていた。
音大をなんとか卒業して、進路をどうするかとなった時に祐哉がうちで働かないかと声をかけてくれた。
父親も再婚して新しい家族が出来ていたから、大学卒業と同時に一人暮らしをすると言う俊に、この家で暮らせと祐哉の母が言ってくれた。
征哉は、音楽以外のことも沢山経験しろといって俊を遊びに連れ出した。
趣味でいいからヴァイオリンを続けなさいと、祐哉たちの祖父が俊の部屋を防音設備の整ったものにしてくれ、祐哉の父は、うちで働くならきちんとした身なりをしなさいとスーツやコート、靴を揃えてくれた・・・・・。
自分の家族以上に家族として扱ってくれた中園の人々に、一生仕えようと俊は心に誓った。
「中園の家で働き出して、食事もちゃんとしたものを食べて、祐哉と征哉さんとたくさん話をして外に出かけて・・・・・。運動もずっとやってこなかったから剣道や水泳も始めた。そしたらみるみる痩せたんだ。肌も荒れることがなくなって、夜もちゃんと眠れるようになった」
「耳は?」
「耳は再発することもなくなった。今は全く問題ない」
「そっか。良かったね。やっぱり・・・・・お母さんが原因だったのかな」
俊はそうだなと頷いた。深刻な話だが、俊の表情は特別暗いわけではない。きっと中園の人たちと暮らしていく中ですっかり立ち直った話なのだ。
「ただ・・・・・さっき言ったように、容姿のコンプレックスってのは割と残ってて・・・・・」
元々背は大きかったので、剣道や毎日日課にしているトレーニングのおかげで体型もモデルのようになり、仕事も上手くこなせるようになってくると今まででは考えられないくらいモテ始めた。
祐哉とあらゆる場所に出向いたり、中園の仕事を単独でやるようになると女性が次々と誘ってくる。