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月夜の迷子たち
第11章 恋の種
翌日さっそく中園の家を訪れた。玲央はイギリスに持っていきたいものがあるからと一人で買い物に行ってしまった。
皆喜んでくれたが、俊はなぜかよそよそしかった。
話もするし、目も合わせるのだが、どうも今までと違う。
最低限の関わりしか持たないといった様子だった。
昨日はあんなに心を開いて話してくれたのに、以前よりも距離を離されたような気がした。
玲央を連れてくるという話を和子にすると、和子は途端に色めき立ち、双子揃って撮影会をしたいと言い出した。モデル代を出すからと。
レイアは玲央に断り無くオーケーした。
たったの一日でかなりの報酬が貰えるし、雑誌やテレビに載るわけでもなく、個人の撮影会ならいいだろうという判断だった。
話は盛り上がり、玲央とレイアに『ベニスに死す』の衣装を着せたいとなり、それならば自分たちもあの時代の衣装を着るとなって、和子の友人たちも呼んでセレブのコスプレ撮影会が開催されることとなった。
予想通り玲央は嫌がって抵抗した。
「冗談じゃない。そんなバカみたいなこと出来るか」
「えーっ。でも一人10万円だよ?一日我慢すればいいんだよ?玲央だってイギリスでお金いろいろかかるでしょう?」
玲央は金額を聞いて揺れているようだった。
「即金だよ?その場で手渡しだよ?」
玲央が悩み出した。あと一押しだ。
「私の分、半分あげる!一日15万!どうだ!?」
「・・・・・・・やる」
レイアは張り切って玲央を中園の家に連れていった。
和子たちは既に衣装に着替え、お茶を飲んでいるようだった。
和子たちと会わないようにこっそり着替え用に用意してもらった部屋へ行くとベニスに死すのタッジオの衣装がずらりと並んでいた。
「おい・・・・・なんだこの家は。お前、すごいとこで働いてんな・・・・・」
「ねえねえ、早く着替えようよ!みんな驚いてくれるかな!?」
こういう遊びはわくわくする。レイアは目を輝かせて着替えを選んだ。
玲央には紺色のパンツスタイルのセーラー服を選んだ。サイズは伝えてあったのでぴったりだった。メモに白い帽子をかぶると書いてある。
玲央もレイアもベニスに死すを見たことがなかったので、和子にもらっていた写真を元に髪型をセットする。
玲央もレイアも元々癖毛で、自然なウェーブがかかっているので、つやを出すためにムースをつけただけだった。
皆喜んでくれたが、俊はなぜかよそよそしかった。
話もするし、目も合わせるのだが、どうも今までと違う。
最低限の関わりしか持たないといった様子だった。
昨日はあんなに心を開いて話してくれたのに、以前よりも距離を離されたような気がした。
玲央を連れてくるという話を和子にすると、和子は途端に色めき立ち、双子揃って撮影会をしたいと言い出した。モデル代を出すからと。
レイアは玲央に断り無くオーケーした。
たったの一日でかなりの報酬が貰えるし、雑誌やテレビに載るわけでもなく、個人の撮影会ならいいだろうという判断だった。
話は盛り上がり、玲央とレイアに『ベニスに死す』の衣装を着せたいとなり、それならば自分たちもあの時代の衣装を着るとなって、和子の友人たちも呼んでセレブのコスプレ撮影会が開催されることとなった。
予想通り玲央は嫌がって抵抗した。
「冗談じゃない。そんなバカみたいなこと出来るか」
「えーっ。でも一人10万円だよ?一日我慢すればいいんだよ?玲央だってイギリスでお金いろいろかかるでしょう?」
玲央は金額を聞いて揺れているようだった。
「即金だよ?その場で手渡しだよ?」
玲央が悩み出した。あと一押しだ。
「私の分、半分あげる!一日15万!どうだ!?」
「・・・・・・・やる」
レイアは張り切って玲央を中園の家に連れていった。
和子たちは既に衣装に着替え、お茶を飲んでいるようだった。
和子たちと会わないようにこっそり着替え用に用意してもらった部屋へ行くとベニスに死すのタッジオの衣装がずらりと並んでいた。
「おい・・・・・なんだこの家は。お前、すごいとこで働いてんな・・・・・」
「ねえねえ、早く着替えようよ!みんな驚いてくれるかな!?」
こういう遊びはわくわくする。レイアは目を輝かせて着替えを選んだ。
玲央には紺色のパンツスタイルのセーラー服を選んだ。サイズは伝えてあったのでぴったりだった。メモに白い帽子をかぶると書いてある。
玲央もレイアもベニスに死すを見たことがなかったので、和子にもらっていた写真を元に髪型をセットする。
玲央もレイアも元々癖毛で、自然なウェーブがかかっているので、つやを出すためにムースをつけただけだった。