この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
月夜の迷子たち
第12章 包まれる想い
レイアはうきうきとした気分で紗奈のアトリエに向かった。
紗奈とお互いの恋の話をするのが楽しかった。
絵が完成したと聞いたが、今後どうするのだろう。
二人の今後の話をしたいと思い、ドアをノックしようと手をあげた。
瞬間に、ドアが開きドシン!とぶつかる。紗奈だった。大きな荷物を持っている。
「いった・・・・・ぁ。あれ?紗奈っちどうしたの?そんなカバン持って・・・・・」
「レイアちゃん・・・・・・!」
紗奈の顔色が青ざめている。いつもの穏やかな眼差しでもなく、絵に集中しているときの鋭さでもない、何かに怯えているような目だった。
明らかに様子がおかしい。レイアは不安になって紗奈の顔を覗き込んだ。
「どうしたの・・・・・?顔色悪いよ?」
紗奈は小声で何か呟くと、切羽詰った様子で長瀞に帰らなきゃいけないと言う。
レイアの第六感のようなものが強く警告を出している。
紗奈を行かせてはいけないと咄嗟に手を握った。
それでも、涙を懸命に堪えながら無理に笑顔を作ろうとしている姿を見て、紗奈が何かと戦おうとしていると感じ、握った手を緩めた。
レイアに笑顔で手を振って去っていく紗奈を見て、胸がざわざわとざわめく。
なんだかとても嫌な予感がする。
紗奈の細い指の感触が残る手をぎゅ・・・・・と握り締めた。
あの小さい体で、細い指で生き抜いてきた紗奈だ。
きっと大丈夫・・・・・・・。
そう言い聞かせるしかなかった。
紗奈とお互いの恋の話をするのが楽しかった。
絵が完成したと聞いたが、今後どうするのだろう。
二人の今後の話をしたいと思い、ドアをノックしようと手をあげた。
瞬間に、ドアが開きドシン!とぶつかる。紗奈だった。大きな荷物を持っている。
「いった・・・・・ぁ。あれ?紗奈っちどうしたの?そんなカバン持って・・・・・」
「レイアちゃん・・・・・・!」
紗奈の顔色が青ざめている。いつもの穏やかな眼差しでもなく、絵に集中しているときの鋭さでもない、何かに怯えているような目だった。
明らかに様子がおかしい。レイアは不安になって紗奈の顔を覗き込んだ。
「どうしたの・・・・・?顔色悪いよ?」
紗奈は小声で何か呟くと、切羽詰った様子で長瀞に帰らなきゃいけないと言う。
レイアの第六感のようなものが強く警告を出している。
紗奈を行かせてはいけないと咄嗟に手を握った。
それでも、涙を懸命に堪えながら無理に笑顔を作ろうとしている姿を見て、紗奈が何かと戦おうとしていると感じ、握った手を緩めた。
レイアに笑顔で手を振って去っていく紗奈を見て、胸がざわざわとざわめく。
なんだかとても嫌な予感がする。
紗奈の細い指の感触が残る手をぎゅ・・・・・と握り締めた。
あの小さい体で、細い指で生き抜いてきた紗奈だ。
きっと大丈夫・・・・・・・。
そう言い聞かせるしかなかった。