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月夜の迷子たち
第12章 包まれる想い
友子は働きながら双子の世話や家事をし、疲れきっているのに笑顔を絶やさず、いつも愛情をかけてくれた。
なるべく玲央と家事をやろうと、掃除や洗濯をした。
小学生の時、友子のブラジャーがぼろぼろで穴があきそうなくらい擦り切れてるのを見て、初めて父に対して憎しみを持った。
よその子はお父さんが働いてお金を家に入れている。
自分たちのお父さんは何をしているのだ?
友子は新しいブラジャー一つ買わないで自分たちを育てている。
自分たちが生まれたことを知らないってなんだ?
なぜ母は言わなかったのだ?
そのせいで友子はしなくてもいい苦労をしているではないか。
自分たちがいなかったら、良い人とめぐり合って、結婚して、自分の子供を産んで・・・・・。そんな人生だったのかもしれない。
大きくなるにつれ、大好きだった母に対して複雑な気持ちになっていく。
空き缶を集めて持っていくとわずかだがお小遣いをくれるおじさんがいて、玲央と一緒に空き缶を集めてお金を貯めた。
それで友子にブラジャーを買ってプレゼントした。玲央は他のものにしようと嫌がったが、レイアが説得した。
友子は泣きながら笑って、すごく嬉しいと双子を何度も抱きしめてくれた・・・・・・。
自分の親は友子だけだ。友子を大切にしていくことだけ考えようと決意した時だった。
父はいらないと思ってきたレイアだが、自分の出自を知らないことで、紗奈だけでなく中園のみんなにも迷惑をかけている。

父は王族なんかなじゃない、写真なんて偽者だ、とはっきり言えない。知らないからだ。こんなことになったのは自分の責任だ。
レイアはただこうして泣いて待っていても何も進まないと、レイアは玲央に電話することにした。
ロンドンはおそらく早朝だが、そんなことを気にしている場合じゃない。
父がスウェーデン人だとだけ知らされていたから、玲央は自分から勝手にスウェーデン語を勉強し始めた。レイアにもしつこく俺たちのルーツなんだから少しくらい話せるようになれと言われてイヤイヤながら勉強してきた。

玲央は何か知ってるのかもしれない。
出るまで何度も電話する覚悟だったが、意外なことに玲央はすぐに電話に出た。

「玲央、起きてた?」
「・・・・・・うん、さっき起きた。どうした?」

眠そうな声で答えるが、声にどこか緊張感がある。
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