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月夜の迷子たち
第12章 包まれる想い
「先方が日本にいるのは一週間だ。玲央君はすぐに飛行機のチケット用意して日本に帰ってくるって。帰ってきたらすぐ会えるよう段取りすることになった。玲央君から連絡なかった?」
レイアは急いで自分の携帯を探した。
ベッドの中にもぐりこんでいて気付かなかったが、玲央からいくつかの着信とメールが入っていた。

『話聞いた?俺は会う。すぐに日本に帰る』

レイアは絶句して立ち尽くした。
玲央が父親に会いたがってることは知っていたが、そんなことは叶うはずないと思っていた。

それなのに・・・・・・・。

「君が会いたくない気持ちもわかるし、玲央君が会いたい気持ちもわかる。玲央君ともよく話して結論を出したらいい。とはいっても、数日中には結論出さないといけないだろうけど」

レイアはベッドにストンと脱力するように腰掛けた。

(怖い・・・・・・・)

複雑な感情が渦巻いていたが、一番はっきりしていたのが’怖い’という気持ちだった。

「俊がもうすぐ帰ってくる。今日は休むように言ったから二人でゆっくりしなよ。僕は俊と祐哉の代わりを務めなきゃいけないからもう行くよ」

征哉はレイアの肩をぽんと叩くと、部屋を出ていった。

(なんで・・・・・・どうして・・・・・・・・)

征哉がいなくなると、レイアは強烈な睡魔に襲われた。
考えなくてはという力が考えたくないという力に負けた。

電気が切れたようにブツリと視界が暗くなった。

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