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月夜の迷子たち
第12章 包まれる想い
翌日、レイアはすぐに友子に会いに行った。
病室を出て、談話室でお茶を用意してテーブルに向かい合って座る。

「なーに?怖い顔して」
「・・・・・・・・・」

ふてくされたような顔をしたレイアを見て友子が笑った。

「会いたいなら会いなさい。会いたくないなら会わなくていい」

友子は先ほどと同じことをもう一度言った。

「私が聞きたいのはそういうことじゃないの。友子さんはどうしてほしいの?会ってほしくないよね?だって、あの人に・・・・・見つからないために芸能界とか目立った活動するなって言ってきたんじゃない。そうでしょう?」

友子は黙ってお茶を飲んだ。

「私はどちらでもかまわないわ。いずれこういう時が来ると思っていたし、むしろ会いに行かせた方がいいと思ってたから、ちょうど良かったわ」
「そんなに軽く言うことじゃないでしょ?私、ずっと悩んでたんだから!」
「あなたのお母さんが・・・・・・真奈が言ったのよ。見つからないようにしてねって。私に迷惑かけたくないからそう言ったんじゃないかな」
「それ逆でしょ?友子さんに迷惑かけたくないなら、あの人に連絡して養育費とか請求するべきじゃないの?友子さんに私たち育てさせるようなことして、迷惑かけたくないって・・・・・・おかしい!」

友子はレイアの手を取ってきゅ・・・・・と握った。

「レイア、違うのよ。私があなたたちを育てたかったの。最初はね、やっぱり真奈の実家に頼ろうかって言ってたのよ。真奈が家を出た時は、真奈のお祖父さんお祖母さんがまだ生きていて真奈を実家から追い出したわけだけど、真奈の病気が発覚した時はもうお二人は亡くなっていて。真奈のお母さんだけは真奈のことずっと気にしていたから、お母さんに頼もうと思うって。真奈のお母さんの方もあなたたちを引き取りたいって言ってたのよ。お父さんは賛成もしないし反対もしないって態度だったみたいだけど、実の親の遺志を継いでなのか、率先して真奈の勘当を解こうとはしなかった。お葬式に来たのもお母さんだけだった。ほら、高校生の時も一度そういう話が来たでしょう?あの時はお父さんもお亡くなりになって、真奈のお母さんだけの意思で一緒に暮らしたいってことだったのよね」

レイアは母の実家の人間が自分たちを育てたいと家に来た時のことを思い出した。
レイアと玲央は当然友子と離れるのを嫌がって、全力で拒否した。
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