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月夜の迷子たち
第12章 包まれる想い
「真奈からの手紙が来なくなって、私も東京で忙しく働いてたから、あの子が未婚で子どもを産んだってことも全然知らなかった。突然私の前にあなたたちを連れて現れた時は、そりゃもう驚いたわよ。でもね、やっぱり嬉しかった。家族に見放されて、誰も頼る人がいない中で、私のところに来てくれたんだって」
「・・・・・・それからは真奈とあなた達と過ごす時間を楽しみに仕事も頑張って。真奈がご飯作って待っててくれて。休みの日は遊びに連れていってお風呂入れて。本当に幸せだった」

当時のことを思い出す友子の表情は柔らかく、彼女が本当に幸せを感じていたことが伝わってくる。

「真奈のこと、その時はただの恋なんかじゃなくて、愛してた。私が守るって。この子を支えていくんだって。まるで人生の伴侶にでもなった気になってね。だから、あの子の病気がわかって、手遅れだってわかった時、私あの子以上に取り乱して。なんであなたのような人が死ななくてはいけないのって。あなたなしで生きていけない。私も一緒に死にたいって。言っちゃったのよね・・・・・・」

遠くを見つめる友子の瞳にはかつての母が映っているかのようだった。

「真奈はね、私を死なせないためにあなたたちを託したのよ。あの子は、どんなことがあっても自ら命を断つようなことはしてはいけないって、強く想っている人だったから・・・・・・。本当はやっぱりあなたたちのお祖母さんに託したかったんだと思う。だから、あなた達を引き取ってからも私でいいのかしらって、ずっと思ってた。この子たちにとってどうすることが一番いいのかって。経済的に苦労することが良いことにはどうしても思えなくて」

レイアは友子の手を強く握り返した。

「そんなわけない!私は・・・・・・私には友子さんと暮らすこと以外の選択肢はなかったよ!お金がなくても友子さんと玲央と生きてきて、幸せだったよ・・・・・・!」

レイアはたまらず涙を流した。
友子は苦笑いした。

「私がそう思えるようになったのは、二人がブラジャープレゼントしてくれた時。あの時、本当の家族になれた気がする。この子たちはこんなに一直線に私を愛してくれてる。必要としてくれてるのに、私が不安定でどうするのって。考えを改めたのよね」

友子は手を伸ばしてレイアと玲央の頬を撫でた。

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