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月夜の迷子たち
第12章 包まれる想い
「私はお腹を痛めてあなたたちを産んでないけど、あなたたちのためなら死ねると思って育ててきた。その気持ちに嘘偽りはないし、今でもそう思ってる。そこが母親としての最低条件かなと思ってるけど、どうかしら?」
「だから・・・・・・そんな条件必要ないよ。誰が何と言おうと、友子さんは私のお母さんだってば・・・・・・」

レイアの頬を涙が伝う。
玲央も黙って頷いた。
友子は穏やかに微笑んでレイアの涙を手で拭った。

「あなたが父親に会って、この先の人生お父さんと生きていきたいと思ったとしても、それは自然なことよ。私に対する裏切りだなんて考えないでいいの。私は全然平気。強がりじゃないわ。あなたたちを今、この世で一番愛してるのは私だって揺ぎ無い自信があるもの。私自身がそう思えることが重要なのよ」

レイアは涙の向こう側に見える友子の優しい眼差しをじっと見つめた。

「レイア、あなたの瞳と同じ色のお父さん見てみたいのよね?余計なこと考えなくていいのよ。玲央でもない、自分でもない瞳、見てらっしゃい」
「・・・・・・それに何か、意味がある?」
「意味があるとかないとか、余計なこと考えなくていいって言ったでしょう?あなたの心が、本能が、もう一つの瞳を見たいって言ってるのよ」

友子がレイアの鎖骨の下あたりを指でトン、と押した。
レイアは友子に触れられた部分が一瞬で硬くなったように感じた。

レイアの気持ちが固まった瞬間だった。

「玲央、やっとお父さんに会えるわね。良かったわね」

友子の言葉は嫌味なく、素直に玲央に向けられていた。

「・・・・・・友子さん」
「真奈の指輪の裏に書かれたメッセージと紋章の謎がわかりそうで、楽しみでしょう?」
「!?」

友子の言葉にレイアも玲央も絶句した。

「友子さん・・・・・知ってたの?」

レイアが驚きの声で尋ねた。

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