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月夜の迷子たち
第12章 包まれる想い
「そう。現在の王室とは関係がない。現在のスウェーデン王室のベルナドッテ王朝の始まりはカール14世で、彼はフランスの兵士で平民階級出身だ。ナポレオンのライバルとまでいわれた優秀な人物だった彼は、後継者のいないスウェーデンに呼ばれて王になったんだ。このあたりの歴史もとても面白いが、今は割愛しよう。フレデリック・エリストンは、現在の王族が誕生する一つ前の王族、ホルシュタイン=ゴットルプ家の末裔だ。残念ながら、その中の誰の子孫かまで辿れなかった。フレデリック・エリストンの年老いた父に会いに行ったんだけど、グスタフ4世アドルフと言ったりカール13世と言ったり、王太子グスタフと言ったり・・・・・発言が定まらなかった。僕の推測では、ホルシュタイン=ゴットルプ家の最後の王太子であるグスタフの子孫じゃないかと思う。おそらく彼と愛人の間に出来た子どもだ。グスタフを王位に返り咲かせようという動きがあった中、カール14世がグスタフの子孫に目を光らせてなかったはずはない。その子はどこかの田舎貴族の養子にされたんだ。その子孫がフレデリック・エリストンさ 。君たちの母君が所持していた指輪の話と照らし合わせても、それが一番近い真実だろう」

あまりに複雑な説明に、レイアは頭がついていかなかった。

「征哉くん、もっと簡単に説明して」
「つまり、フレデリック・エリストンは、何百年も前に廃れたスウェーデン王室の子孫で、歴史の教科書にも載らないような末裔ってことだ。ただし、歴史的に価値がないわけではない。フレデリック・エリストンの父親に指輪の話を聞いてきた。彼は直近の記憶は曖昧だけど、昔のことは割としっかり覚えていた。特に指輪の話は良く覚えていてね。指輪に書かれた紋章のことも詳しく話してくれた。あの紋章は指輪のためだけに創作されたものだ。玲央が探しても見つからなかったというのはそのためだ。その指輪にしか描かれなかったからだ。ホルシュタイン=ゴットルプ家の紋章とクラウンを混ぜて創作したんだ。さて、それはいつ作られたか?王位を剥奪されているのにクラウンを付けたのだとしたら?実に興味深い。歴史的にはその指輪は相当価値のあるものだ。ロシアの女帝エカテリーナが好きだと言われていたアメジストを採用してるとこも・・・・・」
「征哉くん!その話はまたあとにして!」
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