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月夜の迷子たち
第2章 再会
「でも、熱もあって、怪我もして、足も痛めて・・・・。あんな山奥で、あなたも不安だったでしょう?」

祐哉はゆっくりと首を横に振った。

「君がいたから、不安じゃなかったよ。本当はずっとあそこにいたかったんだ。帰りたくなかった」

祐哉の声が熱を帯びたような気がして、紗奈の胸がきゅ・・・・と締め付けられた。

ここでようやく紗奈は気がついた。

「あの・・・・もしかして、私に会うために?今回の依頼を?」

祐哉はじっと紗奈を見つめて答えた。

「そうだと言ったら?」

紗奈は立ち上がってだめです!と首を振った。

「あの、詳しい金額は知らないんですけど、もしそれが・・・・この仕事の依頼があの時の『お礼』なのであれば、やめてください。本当に、たいしたことしてませんから」

祐哉は紗奈の手を掴んで立ち上がった。逃げないで、というように強く握る。

「あの時、君が見つけてくれなかったら、もっと悲惨なことになっていたと思う。間違いなく君は俺の命の恩人だよ」
「やめてください!そんなんじゃ・・・・」

紗奈は祐哉から離れようと手を引いたが、強く握り返されるだけだった。

「わかった。じゃあ、あの時のお礼はまた別にする。もうすぐ俺の二十六の誕生日なんだ。その記念の品の作成を君に依頼するよ」

祐哉は狼狽する紗奈を落ち着かせるようにゆっくりと話した。

「誕生日・・・・?」
「この家では男子が二十歳になる時、肖像画を描くことになってるんだ。でも、ずっと・・・・肖像画なんて恥ずかしいから断ってたんだ。六年も」

確かに今の時代、肖像画を描くというのは珍しいのだと思う。でもそんなに恥ずかしいことだろうか、と紗奈は不思議がった。

「いつかは描かなきゃと思いつつ逃げてきたわけだけど・・・。君になら描いてもらいたいと思えた。だから、君に助けてもらったこととは関係なく、『俺の誕生祝いの仕事を依頼する』ということでどうだろう」

紗奈は釈然としない気持ちで言った。

「私より上手に描く人は沢山います。そんなに高額な報酬に見合うものを描く自信がありません」
「では、報酬については改めて相談することにしよう。君の望むように」

祐哉の手にさらに力が込められる。まるで自分に引き寄せようとしているかのようだった。

「君に描いてもらえないなら、肖像画はいらない」

祐哉の熱意に紗奈はたじろいだ。
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