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月夜の迷子たち
第12章 包まれる想い
「そこなんだよ。君たちの母親は君たちを出産して限界を感じた時に、宮森友子の元へ行く前に、まずフレデリック・エリストンにコンタクトを取ったんだ。当時のフレデリックの家で働いていた使用人が、日本人の女性から何度か連絡があったと証言している。彼は日系スウェーデン人で当時のことを良く覚えていた。その後、フレデリック・エリストンは日本を訪れ、彼女に再会した。親友のモーリスと使用人を連れて。君たちもその時に一度会っている。まだ数カ月の赤ん坊だったけどね」

そう言って一枚の写真を取りだした。
大勢の行き交う人々を背景に、右側に二人の男性、少し間をあけて左側に双子を抱っこした母が映っている。
レイアは意識的に男性の顔を見ないよう、視線を反らせた。

「その時に・・・・・写真を撮ったのね?」
「そう。見ての通り、空港で何気なく撮ったような一枚だ。瑠花にこの写真を渡したのは使用人の男で、そいつが撮影したものだ。彼は異常なほど几帳面で収集癖のある男だった。切手やら博物館のチケットやらをきっちりファイルに整理していてね。僕にもその写真をすぐにアルバムを取り出して見せてくれた」
「征哉くん、その元使用人の人に・・・・・・お金払ったよね?」

レイアは気まずそうに尋ねた。
征哉はそんなことはどうでもいいと首を振った。
征哉の気遣いがありがたかった。今回の調査は征哉といえど大変だったに違いない。
いつかきちんとお礼をしなくてはと、レイアは心の中で征哉に感謝した。

「さて、君たちの両親は再会したが、それ以降再び二人が会うことはなかった。何故か?今日も来ているが、フレデリック・エリストンの親友のモーリス、こいつがかなり怪しい。要注意人物だ。モーリスのことを調べていると表と裏の顔が全く違う。フレデリクと一緒の時の彼は物静かな人物だと誰もが言う。まれに、近所の住民と激しく口論することがあるようだけど、基本的に大人しく、正直あまり印象に残らないタイプの人間のようだ。しかし、彼に買われた女たちに話を聞くと少し様子が違う。酷くサディスティックで、虚言、妄言、暴言の激しい、支配欲の強い男だと言う。レイアちゃん、この話続けて大丈夫?」


征哉はレイアを見て話を続けていいか確認した。

レイアは強張った表情で頷いた。
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