この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
月夜の迷子たち
第12章 包まれる想い
「モーリス、手を離せ!」

フレデリクの怒声を聞いてモーリスは征哉をにらみつけつつ、玲央の髪を掴んでいた手振り払うようにして離した。

「・・・・・なぜ・・・・・・なぜ母の助けに応じなかった?あんたも、母が勝手に産んだのだから、自分には責任は無いと思っていた?」

玲央はフレデリクをまっすぐ見つめて問いかけた。
フレデリクは、まさかというように首を振った。

「もちろん、君たちが産まれたことを知って、援助すると言った。しかし、真奈はただひたすら私を拒絶するばかりで・・・・・・。何もさせてくれなかったんだ・・・・・・。あの時だって・・・・・・。留学中、私は真奈と結婚しようと思っていた。彼女も一緒になりたいと、両親を説得してまた会いに来ると、そう言って日本に帰ったんだ。それなのに・・・・・・連絡が取れなくなって、居場所もわからなくなった。一度日本に会いに行ったが、彼女は家を出ていて見つけることができなかった。次に彼女から連絡が来た時に、私たちの子どもが産まれたことを知った。彼女は身体を悪くしていて二人を育てることに苦労していた。私はすぐに会いに行くと言って日本に行った。彼女は当面の金を貸してくれないかと言った。ちゃんと働いて返すからと。私は返さなくていいと言った。これからも定期的に会いにくると言ったんだ。今すぐは無理だけど、妻と離婚して君たちを迎えに行くと。本当にそうするつもりだった。でも、その時に会って以降、再び彼女は拒絶し始めた。援助もいらない。もう私にも子どもたちにも二度と会うなと。最初に援助した金を送ってきて、それが最後だった・・・・・・」
「そう。それは嘘じゃない。あなたは真奈さんに援助を申し出ようとしていた。しかし、真奈さんはかたくなにそれを拒んだ。彼女にある人物がこう言ったんだ。『フレデリクの妻は実の親に虐待されて愛されなかったばかりか、何度も殺されそうになるような不幸な人生を送ってきた。彼女からフレデリクを奪って、これ以上失望させるようなことはしないで欲しい。更に彼女には視力障害があって働くことが出来ず、フレデリクと離婚したら生きていけない。お腹の中に子どももいる。どうか黙って身を引いてくれ』ってね。なあ、ミスター・モーリス?」
/290ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ