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月夜の迷子たち
第12章 包まれる想い
「お前やあの女のような偽善者には心底うんざりする・・・・・・!後悔してるよ。あの女をもっともっと、立ち直れないくらい失意の底に突き落としてやれば良かった。跪いて命乞いしたらもう少し手加減してやったものを・・・・・・・。日本人てのは本当に忍耐強いなぁ。それとも信仰のおかげか?ああいう汚れを知らない女を汚すってのは堪らないよなぁ?お前もそうだったんだろ?」
フレデリクは怒りに満ちた形相でモーリスを殴った。
何度も何度も肉を打つ鈍い音が部屋に響き、血が床に散った。
レイアは茫然としてその様を見ていた。
これ以上はまずいというところで征哉が止めた。
モーリスは力なく倒れ、全身で息をしながらうすら笑いを浮かべていた。
フレデリクは全身を震わせてむせび泣いた。
「あの時・・・・・何が何でも彼女を離さなきゃよかった・・・・・彼女を愛してたんだ・・・・・・!」
悲痛な叫びだった。
レイアの目から涙が溢れた。
これが自分が知るべきだった真実だというのか?
あまりに残酷すぎる。母の人生を想ってレイアは今にも叫び出して泣き狂ってしまいそうだった。
俊がレイアを強く抱きしめていなかったら、本当にどうにかなってしまいそうだった。
玲央は静かにそこに立っていたが、内から溢れだす怒りが尋常でないことがひしひしと伝わってくる。
(殺してやる・・・・・・・!)
玲央の声が頭の中で響く。
玲央がモーリスに掴みかかろうとしたところで、レイアはハッとして玲央の腕を掴んだ。
「玲央!!」
「レイア、止めるなよ」
玲央の声は低く、落ち着いていた。本物の殺意を感じて全身に悪寒が突き抜けた。
その時だった。突然、何か温かいものに包まれているように感じて玲央と二人、動きを止めた。
(玲央・・・・・レイア・・・・・・・もういいのよ・・・・・・・。あの人たちを赦してあげて)
母の声がはっきりと聞こえる。玲央とレイアは見つめあった。
今、この瞬間、二人のそばに母がいることが感じられた。
玲央の殺意に溢れた瞳から一筋の涙が流れた。
ああ・・・・・・。
わかる・・・・・・・。この次に母が何を言うのか・・・・・・・・。
(人を赦すって、とっても難しいことね。でもね、憎しみつづけるってとっても苦しいのよ。あなたたち自身のためにも、赦したほうがいいの)
フレデリクは怒りに満ちた形相でモーリスを殴った。
何度も何度も肉を打つ鈍い音が部屋に響き、血が床に散った。
レイアは茫然としてその様を見ていた。
これ以上はまずいというところで征哉が止めた。
モーリスは力なく倒れ、全身で息をしながらうすら笑いを浮かべていた。
フレデリクは全身を震わせてむせび泣いた。
「あの時・・・・・何が何でも彼女を離さなきゃよかった・・・・・彼女を愛してたんだ・・・・・・!」
悲痛な叫びだった。
レイアの目から涙が溢れた。
これが自分が知るべきだった真実だというのか?
あまりに残酷すぎる。母の人生を想ってレイアは今にも叫び出して泣き狂ってしまいそうだった。
俊がレイアを強く抱きしめていなかったら、本当にどうにかなってしまいそうだった。
玲央は静かにそこに立っていたが、内から溢れだす怒りが尋常でないことがひしひしと伝わってくる。
(殺してやる・・・・・・・!)
玲央の声が頭の中で響く。
玲央がモーリスに掴みかかろうとしたところで、レイアはハッとして玲央の腕を掴んだ。
「玲央!!」
「レイア、止めるなよ」
玲央の声は低く、落ち着いていた。本物の殺意を感じて全身に悪寒が突き抜けた。
その時だった。突然、何か温かいものに包まれているように感じて玲央と二人、動きを止めた。
(玲央・・・・・レイア・・・・・・・もういいのよ・・・・・・・。あの人たちを赦してあげて)
母の声がはっきりと聞こえる。玲央とレイアは見つめあった。
今、この瞬間、二人のそばに母がいることが感じられた。
玲央の殺意に溢れた瞳から一筋の涙が流れた。
ああ・・・・・・。
わかる・・・・・・・。この次に母が何を言うのか・・・・・・・・。
(人を赦すって、とっても難しいことね。でもね、憎しみつづけるってとっても苦しいのよ。あなたたち自身のためにも、赦したほうがいいの)