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月夜の迷子たち
第13章 暗闇を照らす光
再びボートを漕いで小屋の前まで戻る。
俊が先に降りる。レイアの手を取ってボートから降りるのを手伝う。
小屋に入ろうとした時だった。

「俊ちゃーん」

丘の向こうから声がした。母の妹の好恵だった。

「叔母さん」

俊はレイアの手を引いて丘を登った。
元々は母の両親が所有していた別荘だが、母は相続せず、今は好恵が所有者だった。

「遅くなってごめんなさいね」
「すみません。わざわざ来てもらって」
「ううん。偶々別荘の修繕の打ち合わせがあったから大丈夫よ」

好恵はそう言うと、レイアに向かって微笑んだ。

「あなたが俊ちゃんの彼女の?」
「宮森レイアです。別荘、貸していただいてありがとうございます」

レイアはペコリとお辞儀をした。

「いいのいいの。全然使ってなくて、来てもらってむしろ嬉しいわ。それにしても・・・・・・。なんと、まあ、可愛らしいお嬢さんかしら。俊ちゃん、素敵な彼女つかまえたわねぇ」

好恵はしきりにレイアを褒めると、そうだそうだと言って俊に鍵を渡した。

「はい。別荘の鍵、渡しておくわね。小屋じゃ不便でしょうから、別荘の方遠慮なく使ってね。二階の東側の部屋が雨漏りしてるから、そこには入らない方がいいわ」
「わかりました。ありがとうございます」
「姉さんから連絡くる?」
「いえ、全然」
「まったく。相変わらずねえ。私のとこも全然よ。こっちからかけても出ないし」

好恵は笑った。気が強く、何事にもアグレッシブな母と違って、この叔母はゆったりとした性格で控えめな人だった。叔母はフルートを長年やっていたが結婚と同時にやめてしまった。

「俊ちゃん、今もヴァイオリン弾いてる?」
「はい。今度、区民オーケストラの演奏会があって。助っ人で呼ばれているんです」
「あら。ぜひ聴きにいきたいわ!また日程教えてちょうだい」
「わかりました」

叔母はにこにこ笑って頷いた。

「じゃあ、私帰らないといけないからこれで失礼するわね。レイアさん、また改めてお食事にでもいきましょうね」
「はい。よろしくお願いします」

好恵は俊とレイアの腕をポンポンと軽く叩いて微笑むと、手を振って去っていった。

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