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月夜の迷子たち
第2章 再会
応接間に戻ると、耕太と征哉、俊が三人で談笑していた。
征哉が二人の姿に気がついて尋ねた。

「アトリエ、どうだった?」
「気に入ってもらえたよ」

征哉はよっしゃー!と飛び上がらんばかりに弟に抱きついた。
祐哉は照れながらやめろよ、と兄をたしなめた。

「紗奈ちゃん、よろしく!」

征哉は満面の笑みを紗奈に向けた。こうして笑うと二人は似ている。少年のような愛らしい笑顔だった。

耕太を含め、今後の話し合いをして、来週からこの家に来ることになった。

ようやく耕太の車で屋敷を出ると、二人は大きなため息をついた。

顔を会わせて苦笑いする。

「すごい家だよな。元は公家の血筋だとかなんとか。あんな世界が本当にあるんだな」
「うん。びっくりした」
「紗奈、ほんとに大丈夫か?引き受けて」

今更ながら紗奈を心配して耕太が言った。

「・・・・仕事場は静かな場所だったし、集中できそうだった。多分、大丈夫だと思う」
「それにしてもお前、そんなことがあったなんて全然言わないから驚いたよ!言えよなぁ、まったく」

耕太は祐哉との件について怒りの目を紗奈に向けた。

「だって、言ったら電話のこととか・・・・やっぱり一人はだめだとかで帰ってこいってうるさく言うじゃない」

紗奈はすこしふてくされて言った。
耕太が大きなため息をつく。

「なんかおかしいと思ったんだよな。あの山小屋に住んでいる画家を探しているって変なルートで仕事が入ってきたから」
「・・・え?」
「紗奈の絵を見て、これを描いた画家にって指名受けることはあっても、そんな指名の仕方されるの今までなかったから」

やはり祐哉は紗奈を探してくれていたのだと知って、胸が熱くなる。

「まあ、過程はどうあれ、仕事は仕事だ。気合入れろよ」
「わかってる。頑張る。香織ちゃんと赤ちゃんのために」
「おいおい、俺は!?」

二人とも緊張から解き放たれて、表情を緩めて笑った。
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