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月夜の迷子たち
第2章 再会
翌週、紗奈は中園家に必要なものを揃えて耕太と再び訪れた。

着替え、使い慣れた道具、画集数冊にランプ、まだ描き終ってない数枚の絵と、オフィーリアが描かれたキャンバス。

アトリエまで耕太と、以前出迎えてくれた男性の使用人とで荷物を運んでくれた。
寡黙なその男性の名前は藤原といった。

毛布や羽根布団、ストーブに衣装棚などが増えていた。
テレビやラジオをあとでお持ちいたしますと言われたが、必要ないですと断った。
部屋には小さなキッチンもあり、冷蔵庫には飲み物が蓄えられていた。
トイレと洗面所はあるが、風呂はないので、屋敷の方のバスルームを使うように言われた。

「何かありましたら、電話がありますので、いつでも何なりとお申し付けください」

紗奈は恐縮して頭を下げた。

「私、描く事に集中しだすと、音が耳に入らなくなってしまって・・・・。電話が鳴ったり、どなたかが声をかけてくださっても反応しないことがあると思います。無視・・・とかではないので、どうかご理解ください」
「かりこまりました。皆に伝えておきます。お食事はどうなされますか?」

尋ねられて紗奈はうつむいた。

集中して描く時は合間にパンやりんごをかじったり、おにぎりをたべたりで済ますことが多かった。集中が切れた時に空腹が襲ってくるがそのまま疲れて寝てしまうこともある。

「そうですね・・・・必要な時に伺います」

藤原は静かに頷いた。

「食堂でお好きなものを料理人にお申し付けください。お電話をいただければ、こちらへお運びすることも可能です」

紗奈は小さくハイ・・・と返事した。

どうも人を使って自分のことをしてもらう、というのは苦手だ。
この家ではあたりまえのことのようだったが。

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