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月夜の迷子たち
第13章 暗闇を照らす光
「・・・・・・・ハードル上げてきたな」

俊は不貞腐れながらも、その愛らしさに胸が温かくなる。
俊はレイアを引き寄せてキスした。

「もし断ったらどうするの?」

レイアの質問の意味をすぐに理解できずに、俊は固まった。

「・・・・・・断るつもりなのか?」
「さー?どうでしょう?」
「・・・・・・・・・・」

小悪魔レイアはまだそこにいた。
俊はジロ・・・・・・・とレイアを睨んだあと、すぐに苦笑した。

自分の出した答えに思わず笑ってしまう。
もう完全にレイアの虜になっていることを自覚したからだ。

「何?」
「いや・・・・・・・。受けてもらえるまで何度でもプロポーズする」
「毎回、前回を越えていかなきゃだめなのよ?」
「ああ、そうだな。寝ずに考える」
「最終的にはどんなプロポーズになるかな?玉乗りしながらバイオリン弾いて『僕と結婚してください!』とか?」

俊は目を丸くした。

「まさか・・・・・・・そこまでさせないよな?」

動揺した様子の俊を見てレイアが噴き出す。
俊はレイアの肩を掴んだ。

「レイア、ちゃんと答えて。君がどんなプロポーズを望んでいるかわからないから」
「望んだらやってくれるの?」
「それは・・・・・・・もちろんやるよ」

真剣な俊を見て、レイアは愛しさ溢れる眼差しで俊を見た。
俊の首に抱きつく。

「俊、大好き・・・・・・・!」

レイアの温かい身体を抱きしめて、俊は思った。
この気持ちこそが、俊が追い求めていたものだ。

レイアを心から愛しいと思う、この気持ちこそが・・・・・・・。

今、この瞬間、人生で一番最高な演奏が出来そうな気がする。

そう口にしそうになって直前で止めた。
レイアが俊の唇にチュ、とキスする。
俊への想いを溢れさせ微笑んでいるレイアがあまりに可愛らしくて、胸がきゅ・・・・・と締め付けられる。
愛しくて仕方なかった。
俊も同じようにキスを返す。

今はただただ、レイアの全てを愛したい・・・・・・・。

レイアが俊の肩にキスすれば、俊もレイアの肩にキスする。
一つ一つ、丁寧に、想いを込めて・・・・・・・。
俊とレイアの身体に月の光が降り注ぐ。
二人の想いが混ざりあい、月の光に溶けていく。
その心地よさを感じて、俊は再びレイアの身体に重なったのだった。
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