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月夜の迷子たち
第13章 暗闇を照らす光
「これからは小野瀬さんと一緒に新しい家庭を築いていくんでしょ?あなたもしっかりしなきゃ。私のことは大丈夫。ほら」

そう言って左手を見せてくれた。薬指に指輪が嵌められている。

「え!?」
「南さんにプロポーズされたのよ」
「・・・・・・・・!??え・・・・・・!?もしかして・・・・・・受けたの!?」
「受けたわよ。断る理由ないもの」

飄々と言ってのける友子を見て、レイアは唖然とした。

「本当にいいの・・・・・・?その・・・・・・いろんな意味で」

友子はクスリと笑った。

「もちろんよ。だめ?」
「だめじゃないよ・・・・・・。嬉しいよ。嬉しいけど・・・・・・・・」
「真奈のことはもちろん今でも愛してるわよ。でも、あのお葬式でね。区切りをつけるって、暗黙の了解があったから」
「暗黙の了解?」
「レイアは知ってた?真奈の棺にオフィーリアで描かれていた花を入れたこと。あれね、中学生の頃に私が言ったことなの。私が死んだ時はこのオフィーリアみたいにするんだって。なかなかの乙女でしょ?」

レイアは玲央が言っていたことを思い出していた。やはりあの葬儀の時、オフィーリアを再現していたのだ。

「じゃあ、私もそうするって。真奈が言ってね。中学生の、適当な約束だったんだけどね。いよいよって時にね、真奈があの約束覚えてる?って。その通りにしてねって。あれはね、‘真奈への想いを終わらせる‘っていう区切りの意味があったのよ。良い人が見つかったら、幸せになってねっていう意味。そんな人、見つからないって思ってきたけど、人生何があるかわからないわね」

母からの‘自分を忘れないで’という意味ではなかった。
むしろ、自分のことは忘れて、新しい恋を見つけてほしいというメッセージだったのだ。

「そっか・・・・・・・」
「だからね。真奈の望み通り、私これからめいっぱい恋愛するつもりよ」

友子の清々しい笑顔に、レイアも微笑んだ。

「そうそう、指輪で思い出した。あなたが結婚決めた時に渡そうと思ってたのよね」

友子はそう言ってベッドの下の古い衣装ケースを引きずり出した。
ケースから小さな箱を取り出す。

「はい。これは、あなたが持っていて」
「?」
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