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月夜の迷子たち
第1章 鏡の中の世界から
男の目がまた閉じた。
紗奈はまずは小屋に連れていくことにした。
「起きて・・・・!」
紗奈は屈み込んで、男の腕を自分の肩へと回す。
紗奈のグレーのカーディガンがすぐにびっしょりと濡れた。
紗奈は早くしないと、と焦るが、いかんせん男の体は重たく、腕をまわしたものの
立ち上がれない。
「起きてください!せめて・・・・小屋に・・・・」
紗奈は男の頬を強めに叩いた。
はっ!とした用に男の目が開いた。
紗奈の顔を凝視したあと、目だけを動かして辺りを見回し、再び紗奈の顔に視線を
戻した。
「君は・・・・」
「私の小屋がすぐそこにあります!歩けますか!?」
紗奈の鬼気迫る様子に男は初めて自分の置かれている状況を把握したようだった。
「ああ・・・歩ける」
そう言って立ち上がろうとした途端、大きく呻いてしゃがみこんでしまった。
「ごめん・・・・足が・・・・」
男の顔が苦痛で歪む。
しかしすぐに再び立ち上がった。
「右足は・・・大丈夫」
男は自分に言い聞かせるようにそう言うと、右側に体を傾けてゆっくりと立ち上がった。
紗奈は右側に回り込んで男の体を支えた。
紗奈はまずは小屋に連れていくことにした。
「起きて・・・・!」
紗奈は屈み込んで、男の腕を自分の肩へと回す。
紗奈のグレーのカーディガンがすぐにびっしょりと濡れた。
紗奈は早くしないと、と焦るが、いかんせん男の体は重たく、腕をまわしたものの
立ち上がれない。
「起きてください!せめて・・・・小屋に・・・・」
紗奈は男の頬を強めに叩いた。
はっ!とした用に男の目が開いた。
紗奈の顔を凝視したあと、目だけを動かして辺りを見回し、再び紗奈の顔に視線を
戻した。
「君は・・・・」
「私の小屋がすぐそこにあります!歩けますか!?」
紗奈の鬼気迫る様子に男は初めて自分の置かれている状況を把握したようだった。
「ああ・・・歩ける」
そう言って立ち上がろうとした途端、大きく呻いてしゃがみこんでしまった。
「ごめん・・・・足が・・・・」
男の顔が苦痛で歪む。
しかしすぐに再び立ち上がった。
「右足は・・・大丈夫」
男は自分に言い聞かせるようにそう言うと、右側に体を傾けてゆっくりと立ち上がった。
紗奈は右側に回り込んで男の体を支えた。