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月夜の迷子たち
第3章 閉じられた扉
「祐哉くん、ラッキーだね!紗奈っち、お風呂上りでしっとりしちゃって、頬染めちゃって、良い匂いして、めっちゃ可愛いから、ぜひご堪能あれ」
「それは・・・・どうもご親切に」

祐哉が笑いを堪えて答える。
紗奈は突然のことに困惑してレイアを見上げた。

「レイアちゃん?」
「ご飯用意してもらってくるから、それまで祐哉くんと、えーと、これ、チェス?チェスでもして、あとでゆっくり来たらいいよ」

じゃね!と言って、俊と腕を組んで歩き出す。
俊はレイアにがっちりと腕を組まれて、一瞬ひるんだように見えたが、諦めた様子で何も言わずに去っていった。

「レイアさんと仲良くなったの?」
「高校の同級生なの。さっき偶然会って、なぜか一緒にお風呂に入ってきたところ」
「へえ、同級生・・・・・。それはまたすごい偶然だ」

祐哉はチェスを片付け始めた。

「ごめんなさい。チェス、小野瀬さんとやってたのに邪魔しちゃって」
「いや、俺が負けそうだったからかえって助かったよ」

紗奈は久しぶりに祐哉の姿が見られて、心の中でそっと喜んだ。
あれ以来、祐哉の指の感触を思い出してはどきどきしていた。
二人きりになったら困ってしまう気持ちと、嬉しい気持ちと、そんなことをあれこれ考えながら過ごした。
いざこうして会ってみると、素直に嬉しい気持ちでいっぱいだった。

紗奈も一緒にチェスの駒を集めた。

「それに、確かにレイアさんの言う通りラッキーだった」
「・・・・・・?」
「湯上りの’めっちゃ可愛い’君が見れて」

祐哉は愛しそうに目を細めて紗奈を見た。
紗奈は思わず目をそらした。

乾かしたばかりの長い髪はゆるくお団子にして後頭部でまとめていたが、幾筋かほつれて垂れていた。

祐哉がこめかみに垂れている一筋の髪を手に取る。
何をされるのかわからず、どぎまぎした。

「君の髪は絹のように綺麗だよね。一番最初に会った時に思った」

祐哉の視線をうなじに感じて、紗奈は手で隠したかったが、その前に祐哉の手が動いた。
髪を紗奈の耳にかける。指先が一瞬耳に触れて、紗奈の鼓動がいっそう早まった。
祐哉の手が迷うように空を彷徨い、悩んだ結果、紗奈の手を握った。

(耳・・・・触れられるかと思った・・・・)

「行こう」

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