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月夜の迷子たち
第3章 閉じられた扉
「とても有能で助かるよ。俊がいなかったらこんなにスムーズに復帰するのも無理だっただろうな」
「・・・・お前の兄貴が代わりにやってくれるかと思いきや、お前から離れないから倍大変だったぞ」

どういうことかわからないでいる紗奈にレイアが説明してくれた。

「征哉くんは、もう馬鹿がつくくらい弟大好きで、紗奈ちゃんに助けられたあと、もう二度と怪我させないって言って、ずーっと祐哉くんに張り付いてたんだって」

これ以上心配かけさせたらまずい、という相手は具体的には征哉のことだったようだ。

「あの人、いっつもフラフラしてて遊んでばかりに見えて、仕事してんの?って思うじゃない?実はすっごい頭良くて仕事もすごい出来るんだって。ちゃんとしなきゃいけない時・・・何かを発表する時とか?普段と全然違ってバシーッと決めてとってもかっこいいって、おば様達がべた褒めだったよ」

紗奈は征哉の意外な一面に、へえ~と感心した。
中園家は海運会社から始まり、貿易、不動産、保険・・・・とあらゆる分野に進出を遂げ成功してきたのだそうだ。

「未だに不思議だ。あの人はどうやって全ての経営状況を把握してるんだ?午前中ちょっと出社しただけで午後はほとんど遊んで過ごしてるし・・・・。出社っていったって、仕事と関係ない話を海外の友人としてるのがほとんどじゃないか。出席してない会議の内容もいつの間にか頭に入ってるし」

俊が信じられないといったように首を振った。

「兄は一度見たものはすぐに覚えてしまうんだ。大量の情報を一瞬でまとめて精査して、最善策を打ち出す。本当にコンピューターみたいな頭脳の持ち主だよ。行動も素早いし。言語も信じられないくらい早く習得するしね。何ヶ国語話せるか、本人も把握してないんじゃないかな」

祐哉は素直に兄を褒め称えた。とても仲の良い兄弟だということが伺えて微笑ましかった。

どたどたと大きな足音が聞こえてきた。俊がぴくりと眉を上げる。

「噂をすれば、だ」

征哉が食堂へと入ってくる。まだテニスウェアのままだった。四人の姿を見て目を丸くした。

「あー!なんだよみんなして!ずるい!僕も誘えよな!」

征哉はズカズカと歩き、祐哉の隣にドカッと座った。
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