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月夜の迷子たち
第3章 閉じられた扉
「会長とのお話、お済になられましたか?」

小野瀬が突然丁寧な口調で征哉に話しかける。
一応礼儀はわきまえている様だった。

征哉は、けっ!あのじじい!と悪態ついた。

「時代錯誤なことばっかり言ってるじーさんを説得する大変さ、わかってくれる?あの人の時代と今じゃ海運も大幅に変わってるっての、何度説明したらわかる?あーあ、祐哉に頼めば良かった!祐哉の話ならもう少しまともに聞くからな。あのじーさんは」

征哉はキッチンに向かってカップラーメン!と叫んだが、無いとわかると大きなため息をつき、アラビアータできるだけ辛くして!と代わりに注文し、リンゴを籠から取って食べ始めた。

「祐哉、なんか血色がいいな。紗奈ちゃんいるからだな~これは~~」

祐哉の肩を抱いてからかう。祐哉はやめろと少し迷惑そうに肘で征哉を押しのけた。
それにもかまわず征哉は祐哉をぎゅっと抱きしめる。

「紗奈ちゃん、風呂、どうだった?」

征哉は表情をにこやかにして紗奈に尋ねた。

「はい。とても素敵なお風呂でした」
「征哉くん、私たちと一緒に入れなくて残念だったねぇ」

レイアが全く悪びれるふうもなく言って、全員がぎょっとした。

「レイアちゃん、何のことかな?悪い冗談、やめてくれよー」

征哉があははと表面だけの笑いで誤魔化す。
レイアはきょとんとした顔で続けた。

「えー?私たちと湯につかれるなら祐哉くんに殺されてもいいとか言ってたくらいだから、よっぽど入りたかったんだなーと思って」
「レイアちゃん、やめて・・・?」

祐哉の表情が一層冷たくなって、征哉は慌てた。

「いやぁ、彼女は何か勘違いしているな!あははは!」
「えー!?『僕の場合の”また今度”は必ず決行されるからな!覚えておけよ!』って言うから覚えてたのに!」

レイアの場の空気を読まない追い討ちに征哉は凍りついた。

「この子はヴィーナスかと思いきや、ルシファーなのか?・・・無垢と悪は表裏一体だなぁ、俊」
「・・・・そんなことより、早く秘書を見つけてください。みんなが困ってますよ」

俊は何かを誤魔化すように話題を変えた。

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