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月夜の迷子たち
第3章 閉じられた扉
「そのようにお考えでしたら、安心です。祐哉の優しさを勘違いされていたらかわいそうにと思いまして・・・・。余計なお世話でしたかしら。ごめんなさいね。では失礼いたします」
瑠花は綺麗な仕草で深々と頭を下げるとレイアと紗奈を交互に見て微笑み静かにアトリエを出ていった。
途端に紗奈の表情が暗くなる。
「紗奈っち、大丈夫・・・・・?」
レイアが紗奈の背中を優しく撫でた。
「あの子、祐哉くんが好きなんだよ。だから紗奈っちに嫉妬してるだけ。あんな風にわざと相手を傷つけて自分が安心したいだけなのよ。婚約なんて話もうそっぱちだよ」
おそらくレイアが言うことは正しい。彼女は祐哉が好きなあまり、紗奈を傷つけようとしているのだ。
彼女のあの秘めた怒り・・・・。
私以上に彼を愛している者はいない、と断言していた。
そんなことはない、自分だって祐哉を誰よりも愛していると胸張って言えるほどの気持ちが紗奈の中に無い時点で、もう負けているのだ。
胸がぎゅうっと痛くなる。
「・・・・・レイアちゃん、ありがとう。大丈夫」
「紗奈っち・・・・」
「ごはん持ってきてくれてありがとう。絵、描くね」
レイアは何か言いたそうにしていたが、頑張ってね・・・・と心配そうな顔をして言うとトレーを持って出ていった。
瑠花は綺麗な仕草で深々と頭を下げるとレイアと紗奈を交互に見て微笑み静かにアトリエを出ていった。
途端に紗奈の表情が暗くなる。
「紗奈っち、大丈夫・・・・・?」
レイアが紗奈の背中を優しく撫でた。
「あの子、祐哉くんが好きなんだよ。だから紗奈っちに嫉妬してるだけ。あんな風にわざと相手を傷つけて自分が安心したいだけなのよ。婚約なんて話もうそっぱちだよ」
おそらくレイアが言うことは正しい。彼女は祐哉が好きなあまり、紗奈を傷つけようとしているのだ。
彼女のあの秘めた怒り・・・・。
私以上に彼を愛している者はいない、と断言していた。
そんなことはない、自分だって祐哉を誰よりも愛していると胸張って言えるほどの気持ちが紗奈の中に無い時点で、もう負けているのだ。
胸がぎゅうっと痛くなる。
「・・・・・レイアちゃん、ありがとう。大丈夫」
「紗奈っち・・・・」
「ごはん持ってきてくれてありがとう。絵、描くね」
レイアは何か言いたそうにしていたが、頑張ってね・・・・と心配そうな顔をして言うとトレーを持って出ていった。