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月夜の迷子たち
第5章 満ちていく心
「なあ、俊。俺の秘書ではなく、親友としての本心を聞かせてくれ」
「それは・・・・・・。お前に幸せになって欲しい。あたりまえだ」
祐哉は俊のいつものポーカーフェイスが崩れて、ふっと緩んだ表情に友人としての温かさを見て微笑んだ。
「俺だってお前が大事だ。兄さんのことも家のことも。この家を出ていくなんてことはしたくない」
「・・・・・・・・・」
祐哉はそれ以上先をあえて続けなかった。俊ならおそらくそれで理解してくれるだろう。
「・・・・・今のまま彼女を手に入れたいと?俺にフォローしろと言ってるな?」
俊がいつも通りの冷めた表情で祐哉を見つめた。
「さすが有能秘書」
祐哉の笑みに俊は呆れたようにため息をついた。
「まさかお前がこんな風に俺を脅すとはな!」
「頼りにしてるよ」
祐哉は俊の背中を叩いた。
この親友に理解してもらえないなら、紗奈と結ばれることは難しい。
俊のことも兄のことも紗奈と同じくらい大事だ。比べられるものではない。
それでも二人ならきっとわかってくれるという甘えと安心感を祐哉自身も自覚してのことだった。
「しかし、俺やお前が説得したところで、彼女自身が拒絶するならどうしようもない」
俊に言われて祐哉は窓の外を見た。
明るい日差しの中、紗奈のアトリエが見える。
「それは・・・・・・。お前に幸せになって欲しい。あたりまえだ」
祐哉は俊のいつものポーカーフェイスが崩れて、ふっと緩んだ表情に友人としての温かさを見て微笑んだ。
「俺だってお前が大事だ。兄さんのことも家のことも。この家を出ていくなんてことはしたくない」
「・・・・・・・・・」
祐哉はそれ以上先をあえて続けなかった。俊ならおそらくそれで理解してくれるだろう。
「・・・・・今のまま彼女を手に入れたいと?俺にフォローしろと言ってるな?」
俊がいつも通りの冷めた表情で祐哉を見つめた。
「さすが有能秘書」
祐哉の笑みに俊は呆れたようにため息をついた。
「まさかお前がこんな風に俺を脅すとはな!」
「頼りにしてるよ」
祐哉は俊の背中を叩いた。
この親友に理解してもらえないなら、紗奈と結ばれることは難しい。
俊のことも兄のことも紗奈と同じくらい大事だ。比べられるものではない。
それでも二人ならきっとわかってくれるという甘えと安心感を祐哉自身も自覚してのことだった。
「しかし、俺やお前が説得したところで、彼女自身が拒絶するならどうしようもない」
俊に言われて祐哉は窓の外を見た。
明るい日差しの中、紗奈のアトリエが見える。