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月夜の迷子たち
第6章 恋の炎
「日本に帰ってきたんですね」
「いきなり帰ってきたんだよー」

レイアは嬉しそうに玲央の腕を組んだ。

「それよりさ、ねえ、これどう?」

そう言ってセーラー服の肩をつまんでポーズを決めた。

「二人ともすごく似合ってる」
「紗奈っち知ってる?『ベニスに死す』」

聞けばその映画に出てくる美少年を真似ているらしかった。
良く見るとおば様たちもそれぞれ大きなつばの華やかな帽子やベールをかぶり、細身のドレスを着ていた。モネの絵に描かれてる貴婦人のようだった。

「おば様たちにね、玲央のこと話したら、モデル代はずむからぜひ撮影会やらせて欲しいって言われて。お小遣い稼ぎにやってるんだけど、これが意外と楽しくってさぁ!」
「楽しんでるのはお前だけだ。さっさと終わらせろよ」

こそこそとまわりに聞こえないように声を潜める。
玲央は心底げんなりした様子で言った。

「・・・もう!一日我慢してれば、私のバイト代2か月分貰えるんだから!納得して参加してるはずでしょう!?」
「・・・・・・」

玲央は背に腹はかえられぬといった、諦めの表情で高級ソファに腰掛けた。
おば様たちにあれこれポーズを要求され、黙って従う。
背中から冷たい空気が発せられている気がした。

紗奈は一番後ろの席に座って撮影会の様子を眺めた。

二人で何か英語で話をしてみてと言われて二人は顔を寄せて何やらこそこそと話し出した。
その姿が可愛らしくて紗奈は思わずスケッチする。
英語ではなく、なにか別の言語のような気がしたが、何語かは紗奈にはわからなかった。それが二人をいっそう神秘的な存在に感じさせた。

「ねえ!この衣装紗奈っち着てみなよ!」

レイアが突然立ち上がって紗奈を呼んだ。

「ええ!?ど、どうして私が・・・・」
「すごい良いやつ用意してくれたみたいで、肌触りいいんだよー。今日で着るの終わりなんてもったいなくて。私今度は別のやつ着るから、ね!」

見ているのは楽しいが、自分が着るとなったら途端に拒否反応が出る。
そもそも手足の長さが明らかにレイアと違うし、ぶかぶかになるのは明らかだ。

抵抗する紗奈を着替え部屋に無理やりつれていき、レイアは容赦なく紗奈のワンピースを脱がした。

「紗奈っち、前より少し肉ついてきたね。いい感じ。最初会った時は細すぎて心配したもん。やっぱりちゃんと食べなきゃ」

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