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月夜の迷子たち
第6章 恋の炎
玲央が指差したのは、先ほど外国語でひそひそと顔を寄せて何か話している時の玲央とレイアの姿だった。

何かをたくらんでいるような、いたずらっこのような顔で内緒話をする双子の姿がとても愛らしくその表情を描写したのだった。

「俺らの育ての母親が小さい頃よくこういう場面の写真をこっそり撮っててさ。正面でポーズ決めてるとこじゃなくて、二人で内緒話してたり、うつ伏せになって寝転がってる俺の上に寿司ネタみたいにレイアが重なってテレビみてるとことか、そういう何気ない場面ていうのかな。俺はそういう自然の姿の方が好きだからさ。被写体の自分が言うのもなんだけど、こういう絵すごい良いと思う」

模写ではなく、自分の絵が褒められて、紗奈の心の奥深くで喜びが芽生える。
紗奈は自分で思っていた以上に、模写でない、自分の絵に自信をなくしていたことに気がついた。様々な画家の絵を模写していると、自分の絵を見失ってしまう。
自分の絵を素直に評価してもらったことが単純に嬉しかった。

照れ隠しで質問をする。

「この時、何の話してたんですか?」
「この時?」

紗奈に言われて玲央が目を細めて微笑む。まさに絵画のような天使の笑顔で、紗奈は思わず見惚れてしまった。

「子供のころさ、近所に嫌なおばさんが住んでて。俺らのことを気色悪い、捨てられた子供は何するかわからない、この町から出て行け!とか言う人で。地元ではちょっとした権力者だったみたいで、育ての親も肩身の狭い思いしていたと思う。そのおばさんが太ってるんだけど、高そうなスーツにいつもすごい大きな派手な帽子をかぶってて・・・・ちょうどここのご婦人たちみたいな」

玲央は最後は声をひそめて言った。

「もうその帽子がむかついてむかついて・・・・」

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