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月夜の迷子たち
第6章 恋の炎
祐哉の部屋の前まで来て、紗奈は自分がセーラー服のままだったことに気が付き、先に着替えた方が良かったと後悔した。
トレーの上には白のホットワインが乗っていて、温かいうちに飲まないと意味がないだろうからと、紗奈は思い切って祐哉の部屋のドアをノックした。
「あの・・・・・紗奈です」
「・・・・・・どうぞ。入って」
更にドキドキと鼓動が早くなる。
部屋に入ると、祐哉の姿が見えなかった。
「こっち」
部屋は二間続きになっていて、入ってすぐの部屋はリビングのようになっていてソファにテーブル、テレビや冷蔵庫が置いてあった。奥にもう一つ部屋があった。
こっちと言われて奥の部屋に入る。扉は開いていた。
そこは寝室になっていて、祐哉は仰向けに寝転がっていた。
紗奈を一瞬見たあと、視線を反らす。
「あ・・・・・・ごめんなさい。これ、藤原さんの代わりに持ってきたんだけど・・・・」
紗奈は祐哉が寝ようとしていたのを邪魔して申し訳なくなり、ベッド脇のテーブルにホットワインを置いてすぐに出ていこうとした。
「帰っちゃうの?」
祐哉が紗奈をじっと見て引き止めた。
「今からお休みになるんでしょう?」
紗奈は祐哉がなんだか怒ってる気がして、居心地悪そうにセーラーの裾をいじった。
「こっちに来て」
祐哉は肘をついて上半身を起こすと、ホットワインを一口飲んだ。
「君も飲んでみる?おいしいよ」
紗奈はお酒が飲めない。それでも祐哉にすすめられて少し飲んでみようという気になってベッド脇に跪くと躊躇いがちに一口飲んだ。
「・・・・・おいしい」
はちみつとりんごの味が口に広がる。
「心を落ち着かせたい時に良く飲むんだ」
仕事が大変なのかな、と紗奈はワインを手渡した。
祐哉はそのままテーブルにワインを置いて、紗奈の手を取った。
「仕事じゃないよ。嫉妬で心が乱れたから」
「え・・・・・・?」
「君がレイアさんの弟さんと楽しそうに話しているのを見て・・・・・嫉妬した」
紗奈は玲央が言っていた『俺のことを刺しそうな目で見てる人がいる』というのは祐哉のことだったのかと初めて気が付いた。
「あ・・・・・・あれは・・・・・・」
「わかってるよ。二人の間には何も無いって。でも、嫉妬した」
トレーの上には白のホットワインが乗っていて、温かいうちに飲まないと意味がないだろうからと、紗奈は思い切って祐哉の部屋のドアをノックした。
「あの・・・・・紗奈です」
「・・・・・・どうぞ。入って」
更にドキドキと鼓動が早くなる。
部屋に入ると、祐哉の姿が見えなかった。
「こっち」
部屋は二間続きになっていて、入ってすぐの部屋はリビングのようになっていてソファにテーブル、テレビや冷蔵庫が置いてあった。奥にもう一つ部屋があった。
こっちと言われて奥の部屋に入る。扉は開いていた。
そこは寝室になっていて、祐哉は仰向けに寝転がっていた。
紗奈を一瞬見たあと、視線を反らす。
「あ・・・・・・ごめんなさい。これ、藤原さんの代わりに持ってきたんだけど・・・・」
紗奈は祐哉が寝ようとしていたのを邪魔して申し訳なくなり、ベッド脇のテーブルにホットワインを置いてすぐに出ていこうとした。
「帰っちゃうの?」
祐哉が紗奈をじっと見て引き止めた。
「今からお休みになるんでしょう?」
紗奈は祐哉がなんだか怒ってる気がして、居心地悪そうにセーラーの裾をいじった。
「こっちに来て」
祐哉は肘をついて上半身を起こすと、ホットワインを一口飲んだ。
「君も飲んでみる?おいしいよ」
紗奈はお酒が飲めない。それでも祐哉にすすめられて少し飲んでみようという気になってベッド脇に跪くと躊躇いがちに一口飲んだ。
「・・・・・おいしい」
はちみつとりんごの味が口に広がる。
「心を落ち着かせたい時に良く飲むんだ」
仕事が大変なのかな、と紗奈はワインを手渡した。
祐哉はそのままテーブルにワインを置いて、紗奈の手を取った。
「仕事じゃないよ。嫉妬で心が乱れたから」
「え・・・・・・?」
「君がレイアさんの弟さんと楽しそうに話しているのを見て・・・・・嫉妬した」
紗奈は玲央が言っていた『俺のことを刺しそうな目で見てる人がいる』というのは祐哉のことだったのかと初めて気が付いた。
「あ・・・・・・あれは・・・・・・」
「わかってるよ。二人の間には何も無いって。でも、嫉妬した」