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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第10章  償いという性行為
  


 チュポンっと牡を引き抜いて答える。


「っ、ぁあ・・・」


 引き抜かれただけで身体がビクビクと震える。


「月良・・・困った奴だな、お前は。」


「お、兄ちゃ・・・・・・?」


 言われる意味が理解出来ない。そもそも言い掛かりだ。
 身体をゆっくりと起こして兄を見る。


「全く、お前は・・・・・・」


 パァァァンン!


「っ・・・!!?」


 重たい兄の平手が飛んで来て髪を揺らしてベッドに倒れ込んだ。


「いったい、いつになったら覚えるんだ?」


「っ、ぅう・・・」


 頬がヒリヒリと痛む。


「お前は、そんな物覚えが悪くないと思っていたんだが・・・」


 平手をお見舞いしながら冷たく言い放った。


「ごめ、なさ・・・っ」


 もう自分でも〝なにに〟謝っているのか判らない。しかし兄の怒りを静めなければ・・・と、思った。


  
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