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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第13章 波間の躯
ハッとして目を開けると傍に兄が座っていた。
「起きたか、月良。」
「お、・・・!!」
〝お兄ちゃん〟と口にしそうになり両手で口を押さえた。
「どうしたんだ?〝お帰り〟は?」
「っ・・・・・・」
懐かしくも優しい笑顔を向けてくれる兄に思わず〝お兄ちゃん〟っと叫んで飛び付きたくなる衝動を必死に抑える。
「月良、挨拶を待ってるんだが・・・」
「あっ、えっと・・・お、お帰りなさい、〝ご主人さま〟。」
冷静になり兄を怒らせないように兄が望むように挨拶できた。
「あぁ、ただいま・・・月良。ちゃんと挨拶出来て偉いぞ。」
にっこりと笑いかけて頭を撫でてやる。
「(お兄ちゃん・・・優しい。)」
兄の態度にホッとした。自分の態度は、間違っていなかった。
「奈音から腸内洗浄が全部終わったと報告があった。」