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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第16章 逃れの奇襲
《 《
「旦那さま~おはようございまぁーす。」
豪邸は、静まり返っている。地上階に人の気配は、ない。
「まだ、下に居るのかしら。」
やれやれと呆れながらも主人を見つけないことには、始まらないので地下室のドアに向かう。
「あら・・・?開いてる。」
地下室に降りる階段を隔てているドアが少しだけ開いていた。枷と鎖で少女を繋いでいるとは言えドアを開けておくことなどあり得ない。
「旦那さま~奈音です。下にいらっしゃいますか?」
声を掛けながらゆっくりと階段を降りる。
「・・・っ、さん」
「っ!!?」
「奈音、さん・・・」
声がした方を見て驚いた。
「助、けて・・・奈音、さ・・・・・・」
「月良さまっ!!」
慌てて残りの段を駆け下りて2人の傍に座る。
「いったい、なにがあったの?」