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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第16章  逃れの奇襲
  


 世話をしながら何度も脳裏で抱いた。初めは、脳裏でもノーマルに迫り従順になるように躾けていた。
 しかしあるときからその行為は、狂気を孕むようになった。

 縛り上げて泣き叫ぶのを眺めながら何度も蜜を放ってやった。

 そんな脳裏のことな知りもしない獲物は、〝純粋〟に予定通りに育った。あとは、そのノドに噛み付いて血肉を喰らうまで・・・だったのに。
 その新鮮な血肉に最初に喰らい付けたのは、自分ではなかった。

 取り戻したとは言え、新鮮さに欠ける獲物をどうしたものかと思案したが心配は取り越し苦労だった。獲物は、まだ自分をオオカミだと気が付いていなかった。

 まだ残る〝純粋〟と〝新鮮〟な箇所をさらけ出してなんの疑いもなく懐にやって来た。今度こそ我がモノにするチャンスだった。

 上手くいけば上書きが出来る。それには、十分すぎる関係性であった。


  
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