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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第18章 理不尽な折檻
「お前が誰の差し金で動いていたとしても〝従順な家政夫〟を俺の前では、演じてくれるのが助かる。」
〝家政夫〟をきちんと演じる怪しい男に笑顔を向ける。
「そう、ですか・・・」
「帰っていいぞ。」
「はい、旦那さま。また、明日。」
軽く頭を下げ挨拶をして玄関を出る。
ガチャンッとドアが閉まり自動的に鍵がかかる。それを確認してから地下室へのドアに向かう。
セキュリティーは、いいものだ。つまり侵入者は、隙を突いたか家政夫が手引きしたかだ。しかし後者は、考えにくい。怪しいところの多い家政夫ではあるが今回の件には、関わっていないと確信があった。
考え事をしながら地下室に入りどの鍵をかける。階段を降りると整頓された部屋が広がっている。その先のベッドに妹が規則正しい寝息を立てて眠っている姿が目に入った。
「・・・月良、帰ったぞ。」