この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第19章 動き出す兄の動機
「(苛々する・・・っ。結局アイツらが上ってことか・・・?)」
目の前で怯えた表情を見せる妹を見ながら苛立ちが増していく。自分の居ない間に妹を奴が抱いたのは、明白。
「恵見は・・・お前の、〝初めての客〟・・・だったな?」
椥が行ったことを汰音からそれとなく訊いていた。そうして思い出したのは、奴が妹を先に抱いたと言う事実。
「おい、訊いてるのか?」
答えない妹に恫喝に近い声を出していた。
「っ、はい・・・」
「お前の最初の客だったな、恵見は。」
「はい・・・」
兄の苛立ちに怯えながら返事をした。
「そうか・・・〝躾直し〟じゃなくて〝お仕置き〟、だな。」
「え・・・・・・?」
兄の言葉の意味を理解する前に蕾に牡が当てられた。
「全く、苛々する。こっちは、こっちで忙しいって言うのに。」